
航空会社からワインビジネスに転身
私は日本航空で勤務していた際、仕事の中でワインに関わっていたのですが、飲む専門でした。しかし、ロサンゼルス勤務時代にワインを通じてイキイキと楽しく仕事をされている方々を見て、こういう世界もあるんだ、自分もワインを仕事にしたい!と思う瞬間があり、日本へ帰ってきました。当時は、まさか自分が会社を立ち上げるとは思っていませんでした。たまたま知人から「こういうワインを扱ってるんだけど引き継いでやってくれないかな」とオファーを頂いたのが、イタリアワインのインポーターの仕事でした。元々イタリアワインは好きでしたが、知識もないし。まずはイタリアに行ってみて、何か感じるものがあれば始めても良いかなと簡単に思ってしまって。実際にイタリアのワイナリーの人と話をしてみたら、こんな人たちとなら、なんとなくビジネスが出来そうな気がすると、彼らのワインを輸入することを決め、ワインビジネスをスタートさせました。
「点」が「線」へ繋がったWSET

2007年にThe Opener株式会社を設立。現在では輸入のほとんどがシャンパーニュに切り替わり、シャンパン&ワインバー 「ラ・シャンデル」とシャンパン・ビストロ「ル・クール」を運営しています。ソムリエ資格取得後、更にワインの知識を深めるためにWSET Level3からスタートしました。Level3資格を合格した際にはWSETのスカラシップ制度により、全世界の中から成績優秀として選ばれ、『 The Wine Australia Scholarship Award(*)』を受賞。10日間のオーストラリアのワイナリーを廻るStudy Tripを頂くことがきました。今はLevel4のDiplomaに挑戦しています。
扇谷さんが受賞された『The Wine Australia Scholarship Award』詳細はこちら
WSETの勉強を始めて良かったことは、“なぜこのワインが出来たのか”ということがはじめて理解できたことです。これまで学んできた知識が「点」から「線」へ繋がった感じです。自分自身、ワインの輸入ビジネスに活かせる知識がたくさんあり、特にDiplomaのUnit1ではマーケティングに関して学ぶので、何故ワインが売れないのか、どうやったら売れるのか、という事が自分の中でクリアになって、目から鱗でした。こうだから日本のマーケットでは売れないだろうな、という考え方が身に付き、今ではビジネスの中のエッセンスになっています。また、私はワインライターのデニス・ギャスティン氏がオーストラリアから来日する際、通訳をさせて頂いているんですが、Unit2の栽培・醸造で得た知識や単語がすごく活きています。Diplomaを勉強していなかったら単語が分からなかったなと。これからワインの勉強をされる方には、せっかく学ぶのであればWSETをオススメしたいですね。
刺激し合える仲間たちの存在
Diplomaは6つのUnitをすべて取得しなければいけない、最低でも2年間かかる資格と言われていて、勉強を一人でやっていると挫けてしまうんですよね。そんな時は教室で繋がりのできたDiplomaを目指す仲間たちと、皆でやっていこうと結束を強めて勉強に励んでいます。業界の方はもちろん、すごい方々がいらっしゃるので、とても刺激になります。それぞれ目標を宣言しあって、皆でギルドホールに行こう!と気持ちを高めて頑張っています(笑)

Diplomaの次は、
マスターソムリエへ
今後の目標は、まずはリオープンした「ル・クール」のお店を盛り上げていくこと、そしてDiplomaを諦めずに通過することです。その後は、“マスターオブワイン”ではなくて、私はソムリエとしてプロフェッショナルの道を行くために“マスターソムリエ”を目指したいと思っています。今年の4月ソウルに行って、Court of Master Sommeliers Certified Sommelierを取得したので、来年にアドバンスを受けられるようになります。それに受かればWSETでいうDiplomaと同じ位のレベルの資格となりますので、そこからマスターソムリエを目指します。その為にも、まずはWSET Level4のDiploma取得に向けて頑張っていきたいです。
ワインを通じてお客様をHAPPYに
ワインが分からないという人にも、まずは気軽に楽しんでもらえること、それを大切にしたいですね。ワインは、喜びを伝えるもの。すごくHAPPYなものだと思います。プロのソムリエとして、ワインを通じて相手がHAPPYになる、そんな仕事をしていきたいと思っています。