Ettore Wine Column #12

オレンジワインとは

2018年10月29日

皆さま、最近流行っている『オレンジワイン』はご存知ですか?
オレンジから造っているわけではありません。こちらは、れっきとしたブドウから造られたワインです。
品種は特に決まっていませんが、必ず白ブドウを使っています。

なぜ「オレンジ」というのでしょうか?それはワインの色味からきています。

普段白ワインを醸造する際は、ブドウの果肉と皮を最初から分けて発酵します。それにより、クリアで透明なワインができます。一方で、赤ワインの醸造を真似て、果肉と皮を一緒に醸造する生産者もいます。そうすると、皮の色がワインに移るので、オレンジ・琥珀色のワインができるわけです。それがいわゆる『オレンジワイン』です。

もちろん、色だけではなく、味にも影響があります。熟成方法にもよりますが、基本的に普通の白ワインよりハチミツ、過熟したリンゴ、ヘーゼルナッツのような複雑な香りが出てきます。そして、皮にあるタンニンも果汁に移るので、ワインの味にも渋味が生じます。

こういったワインを造っている生産者はよく自然派で、アンフォラのような伝統的な容器を使っているので、自然醸造由来の香りや風味が感じられます。

オレンジワインの主な生産国はジョージアです。ジョージアでは土着品種のムツヴァネ、ルカツィテリがよく使用されています。ジョージア以外では、北イタリアのフリウリ州もまたオレンジワインに力を入れています。ここはリボッラやヴィトフスカなどのマイナーな品種を活かしていますが、まれにシャルドネやピノグリから醸造したオレンジワインもあります。

オレンジワインの世界は深いです。味はすべて一緒ではありません!私の経験では、ジョージアのオレンジワインの方がはっきりとした、強い味をしています。逆に、まだ飲みなれていない方には、ヴォドピヴェッチのヴィトフスカT 2012(フリウリ州)をお勧めします。比較的デリケートな味なので、未経験の方も楽しめると思います。

Salute!