Ettore Wine Column #06
ブルゴーニュワインは難しい?

2018年4月5日
ブルゴーニュは、ボルドーと同じようにフランスではもちろん、世界的にもトップを誇るワインの産地です。
ボルドーと違って栽培面積は比較的少ないですが(フランスの6%ぐらい)、原産地呼称の数は圧倒的に多いです。最近できあがった「ブルゴーニュ・コート・ドールAOC(*)」と「ヴェズレイAOC」を含めると、ブルゴーニュのAOCは全102カ所!フランス全体のAOC約20%に匹敵します。ブルゴーニュの特徴として、地域は細分化され、村ごとだけでなく同じ村の中でも畑ごとにワインの味が異なります。さすが「テロワール」の概念の発祥地です。
「ブルゴーニュワインを楽しめるのはワインに詳しい人だけですか?」と聞かれたら、そんなことはないと思います。この地域で主に使われているピノ・ノワールとシャルドネが造るワインは基本的にデリケートで飲みやすいので、ワインに慣れていない方にも親しみやすい、やさしい味なのです。
「でもやっぱり、おいしいものは高いでしょう?」こちらもそうとは限りません。もちろんヴォーヌ・ロマネやジュヴレ・シャンベルタンのような有名な村は高価ですが、素晴らしいヴィンテージの場合は、そこまで有名ではないマイナーな村を狙えば安くて美味しいワインを飲むことができす。産地はもちろん大切ですが、それより気にすべきことは「生産者」なのです。良い生産者は必ず優れたワインを造っていますから。
まず、有名なネゴシアンは確実に信頼できます。「ジョセフ・ドルーアン」のサン・ロマン(白)、「ブシャール・ペール・エ・フィス」のモンタニー・プルミエ・クリュ(白)、そして「ル・ラトゥール」のジヴリー(赤)は全てリーズナブルなワインです。しっかりとしたドメーヌと醸造組合の中で「カーヴ・デ・ヴィニュロン・ド・ビュクシー」のプルミエ・クリュ モンタニー(白)とそのリュリー・ルージュ(赤)や「ドメーヌ・ボルジョ」のサントネー・ヴィエイユ・ヴィーニュは全て4,000円以下で満足できます。
そして、ブルゴーニュAOCの中でも見逃さないほうが良いものがありますよ!私の大好きなミシェル・マニャンが造っているブルゴーニュ・ブラン・ボンバトンはシャンボール・ミュジニーで収穫されたシャルドネからできています!そして、ルイ・ジャドーのブルゴーニュ・ソンジュ・ド・バッカス ピノノワールはなんとプルミエ・クリュが50%入っています!スーパー・ブルゴーニュといえるかな?
探せば探すほど、安くて面白いブルゴーニュワインが沢山あります。ワイン初心者にアピールできるデリケートさがありながら、愛好家に方にもアピールできる複雑さとバライエティをも兼ね備えているのは、「ブルゴーニュ」の揺るがない最大の魅力のひとつです。*AOCとは:フランスでは産地ごとのワインの信頼性・個性を守るため、ブドウ品種や土壌、栽培・醸造方法などに法的な規制を定めています。