ワイン資格の歴史

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ワイン資格の歴史

2024年8月30日

20世紀以前は、ワインに関する知識は主に修道士やワイン業界に従事している家族内で引き継がれ、伝えられていました。しかし、世界的にワインへの関心が高まるにつれ、ワインの評価、地域知識、テイスティング技術に焦点を当てた正式な教育の必要性が明らかになりました。
19世紀になってからフランス、ドイツ、イタリアなどでブドウ栽培とワイン醸造を教える学校が続々と設立されましたが、ワインのことをもっと知りたい、ワインの産地や楽しみ方を習いたいという教育が形成され始めたのは20世紀になってからでした。

WSETの誕生と拡大

現代のワイン教育において最も影響力のある機関の一つが、1969年にイギリスで設立された Wine & Spirits Education Trust(WSET)です。WSETは当初、ワイン業界のプロフェッショナルに対して構造化された教育を提供するために設立されましたが、すぐに愛好家にも対応するようになりました。WSETのカリキュラムは、基礎的なワイン知識から高度なテイスティング技術までを網羅しており、異なるワイン地域とその独自の特徴を理解することに重点を置いています。

WSETのプログラムは、厳密なアプローチで知られており、各レベルが前のレベルを基盤に構築されています。学生は、世界の主要なワイン産地、ワインのスタイルに影響を与える要因、そしてワインを批判的にテイスティングする方法を学びます。WSETの成功により、そのプログラムは70か国以上で提供され、世界で最も認知されたワイン資格の一つとなっています。

Court of Master Sommeliers(CMS):ワインサービスの基準を設定

ワイン教育の進化におけるもう一つの重要な団体が、1977年に設立された Court of Master Sommeliers(CMS)です。WSETが広範なワイン知識に焦点を当てている一方で、CMSはソムリエのワインサービスの技術を訓練することに特化しています。CMSは、一連の厳格な試験を提供しており、候補者のワインサービス能力、ワインリストの理解、そして正確にワインをテイスティングする能力をテストします。

CMSプログラムは、その難易度で有名であり、特にマスターソムリエ試験は、プロフェッショナル資格の中で最も合格率が低い試験の一つです。デキャンティングやワインと食事のペアリングなどの実践的なスキルに焦点を当てているため、CMSはホスピタリティ業界でキャリアを追求する人々にとっての絶対的な基準となっています。

Institute of Masters of Wine:ワイン知識の頂点

ワイン知識の最高峰を目指す人々にとって、Master of Wine(MW)の資格を提供するのが、1955年に設立されたInstitute of Masters of Wine(IMW)です。MWプログラムは、ブドウ栽培やワイン醸造からワインビジネスや業界の時事問題やトレンドに至るまで、ワイン教育に対する包括的なアプローチで知られています。

MW資格はワイン教育の頂点とされており、世界中で500人未満の人々がこの称号を取得しています。厳格な試験には、理論と実践の両方が含まれており、候補者はワインに対する深い理解と、専門家レベルでワインをテイスティングして評価する能力を示す必要があります。MWプログラムは、技術的な知識だけでなく、批判的思考やコミュニケーション能力も重視しており、ワイン業界で最難関とされている資格の一つです。

Wine Scholar Guild:地域ワイン知識に特化

WSET、CMS、MWのプログラムが広範なワイン教育を提供する一方で、Wine Scholar Guild(WSG)は特定のワイン地域に関する詳細な知識に特化しています。2005年に設立されたWSGは、French Wine Scholar(FWS)Italian Wine Scholar(IWS)Spanish Wine Scholar(SWS)などの専門プログラムを提供しています。これらのプログラムは、これらの国々のワインとワイン産地について理解を深めたい学生のために設計されています。

WSGプログラムは、その詳細なカリキュラムで高く評価されており、包括的な学習マニュアル、オンライン学習モジュール、専門家による指導が含まれています。これらのコースは、ワイン業界で働く人々にとって特に有益であり、各地域のワインを形成する文化的、歴史的、地理的要因について深く掘り下げます。WSGプログラムを通じて得られる認定資格は世界的に認知されており、ワインプロフェッショナルにとって価値のある資格です。

ワイン教育の現在

20世紀は、WSET、CMS、IMW、WSGのような機関が設立され、ワイン教育の正式化と拡大が進んだ時代でした。これらの組織は、プロフェッショナルと愛好家に対応した構造化されたプログラムを提供し、ワイン教育の基準を設定しました。本日、ワイン教育はこれまで以上にアクセスしやすくなり、オンラインおよび対面でさまざまなコースが提供されています。ワイン教育は、個人の楽しみやキャリアアップに向けて、しっかりとした基盤を提供します。

WSETとCourt of Master Sommeliersの違い

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WSETとCourt of Master Sommeliersの違い

2024年8月21日

WSETとCourt of Master Sommeliersの違いとは?

ワイン業界でのキャリアを考えている方や、ワインの知識を深めたいとお考えの方は、Wine & Spirit Education Trust(WSET)とCourt of Master Sommeliers(CMS)について聞いたことがあるかもしれません。これらはどちらも世界的に高く評価されている教育プログラムで、それぞれ異なる目的で設計されています。以下に、WSETとCMSワイン教育の主な違いを記載いたしましたので、自分に合った道を選ぶ際の参考にしていただければと思います。

焦点: 理論 vs サービス

WSETとCourt of Master Sommeliersの最も大きな違いの一つは、カリキュラムの焦点です。WSETはワイン理論に特化しており、ブドウ品種、ワイン産地、醸造技術、ワインのスタイルや品質に影響を与える要因など、幅広いトピックを深く掘り下げます。これは、ワインに関する理論的な基礎知識を身につけたい方に最適で、ワイン科学や地理などの理論的な学習に適しています。

一方、Court of Master Sommeliersは、高級ダイニング環境で必要とされる実践的なスキルに重点を置いています。ワインサービス、料理とワインのペアリング、ブラインドテイスティングの技術が含まれ、ソムリエとしてのキャリアを目指している方に最適です。ここでは、ワインの知識や理論だけでなく、卓越したダイニング体験を提供するためのスキルが求められ、ワインリストの管理、デカンタージュ、料理とワインのペアリングの提案方法について学びます。

認定のレベル

WSETとCourt of Master Sommeliersは、知識やスキルが向上するにつれて進級できる一連のレベルを提供していますが、その構造や焦点は異なります。WSETは4つのレベルの認定を提供しており、初心者に最適なレベル1から、Master of Wine(MW)への道を開く上級のレベル4ディプロマまであります。WSETの進級は主に学問的で、理論とテイスティングの試験を通じて包括的なワインの理解を深めることに焦点を当てています。

Court of Master Sommeliersも4つのレベルを提供していますが、進級するにつれて、より実践的なスキルに重点が置かれます。最初のレベルであるIntroductory Sommelier Courseでは、ワインサービスと理論の基本をカバーします。次に、Certified Sommelier Examでは、理論、テイスティング、サービスの試験が行われます。その後、難関のAdvanced Sommelier Certificateに進み、最終的には名誉あるMaster Sommelier Diplomaを目指します。MSディプロマは非常に難易度が高く、合格率は10%未満という厳しい試験です。

試験形式: 理論と実践

試験に関しても、WSETとCourt of Master Sommeliersは異なるアプローチを取っています。WSETの試験は通常、選択式問題、短い記述式の回答、およびテイスティングの評価を含みます。試験は、理論的な知識とワインを正確に表現する能力を評価することに焦点を当てています。レベルが上がるにつれて、試験は難しくなり、レベル3や4では詳細かつ論理的なエッセイやテイスティングコメントが求められます。

一方、Court of Master Sommeliersの試験は、特に上級レベルでは、実践的なスキルに重点が置かれています。入門レベルでは筆記試験が含まれますが、重要視されるのがサービスとテイスティングの要素です。Certified Sommelier Examでは、ボトルのデカンタージュや特定の料理に合うワインの推薦など、サービスを行う必要があります。ブラインドテイスティングは特に難易度が高く、ブドウの品種、産地、ヴィンテージを答える必要があります。最終的なMaster Sommelier試験では、6種のワインの的確なブラインドテイスティングと、サービス場面での複雑なワインのシナリオを圧力下で処理する能力を試すサービス試験が含まれます。

キャリア: 教育 vs サービス

WSETとCourt of Master Sommeliersが提供するキャリアパスにも重要な違いがあります。WSETは、ワインバイヤー、教育者、ジャーナリストなど、ワイン業界に進出しようとする方に選ばれる傾向があります。理論と詳細なワイン知識に重点を置いているため、ワイン醸造・栽培や産地に対する深い理解が必要な職種に興味がある方に適しています。多くのWSET修了生は、ワインマーケティング、貿易、さらにはワイン醸造の分野で働くことが多いです。特にWSETディプロマは、ワイン業界で非常に評価が高く、高いレベルのポジションの要件となることもあります。

一方、Court of Master Sommeliersは、特に高級レストランで働きたいと考えている方を対象としています。ミシュラン星付きレストランのソムリエになりたい、またそのようなワインプログラムを管理したいと考えている方には、CMSの受講が適しています。CMSプログラムを通じて習得するサービススキルは卓越しており、MSの称号はワインの世界で最も権威あるものの一つです。このレベルに達したソムリエは、ワインディレクターやコンサルタント、または自分のレストランを開くこともあります。

結論: どちらの道があなたに最適か?

WSETとCourt of Master Sommeliersのどちらを選ぶかは、各々のキャリアプランや個人の気質、興味に左右されます。ワインの理論に情熱を持ち、ワイン醸造や産地の複雑な仕組みを探求したい方には、WSETが最適な体系的でロジカルな教育を提供します。一方、ワインサービスの芸術に魅了され、飲食業界でのキャリアを築きたい方には、Court of Master Sommeliersが実践的なスキルを提供します。
また、両認定の焦点が異なるため、多くの方が両方を受講し、WSETコースで得た主に理論的な知識を、マスターソムリエプログラムのより実践的な知識と統合しています。

両プログラムとも世界的に評価が高く、どちらの道を選んでも、ワインエキスパートになるための重要な一歩を踏み出すことができます。

マリオ・スキオペット、白ワイン醸造の革新者

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マリオ・スキオペット、白ワイン醸造の革新者

2023年10月11日

1931年、イタリアのフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア地方に生まれたマリオ・スキオペットは、ワインの世界では卓越したワインの代名詞として知られるイタリアの著名なワインメーカーです。スキオペットのワイン造りへの旅は、1960年代初頭に家業のブドウ畑を相続したことから始まりました。革新への情熱と伝統への深い尊敬を胸に、彼はフリウリのユニークなテロワールを表現するワイン作りに乗り出しました。

彼はイタリアにおける近代的な白ワイン造りの基準を打ち立てたことで特に有名で、温度管理された発酵、ステンレスタンク、空気圧プレス機、無菌瓶詰めなどの先進的な技術を導入しました。これらの技術は現在では広く普及していますが、当時、彼ほど細心の注意を払っていたワインメーカーはそう多くはありませんでした。その結果、正確でピュア、そして非常に高品質なワインを造ることができました。ブドウ畑でも、低収量と高密植の実験を行いました。

マリオ・スキオペットは2003年に他界しましたが、ワイン業界に永続的な遺産を残すような特別なワイン造りに生涯を捧げました。彼が残した遺産とワインはこの先も生き続けるでしょう。

アリアーニコ・デル・タブルノ

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アリアーニコ・デル・タブルノ

2023年9月8日

アリアニコ・デル・タブルノはサンニオ地区(カンパーニャ州)のタブルノ山の斜面に位置し、ブドウ畑は火山性土壌とブドウ栽培に適した気候の恩恵を受けています。アリアニコはタウラージ地方で最も有名な品種ですが、サンニオ地区でも栽培しています。しかし、両者にはスタイルと価格において顕著な違いがあります。

力強いタンニンと長期熟成のポテンシャルを持ち、フルボディでしっかりとしたタウラージ産のアリアニコに比べ、アリアニコ・デル・タブルノはやや軽めでより親しみやすいキャラクターです。また、価格に関してもタウラージのワインに比べ、お買い求め安い価格となっています。

有能な生産者の手にかかれば、アリアニコ・デル・タブルノは偉大なワインとなり得ます。その上、まだあまり知られていないので、手頃な価格で傑出した品質を提供することができます。

アリアニコ・デル・タブルノや他のサンニオのワインについてもっと知りたいですか?ぜひ、10月5日にキャプラン ワインアカデミーで開催されるセミナー「サンニオへようこそ~Welcome to Sannio!」にお越しください!

フェニキア人とワイン

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フェニキア人とワイン

2023年9月5日

フェニキア人は地中海東部、現在のレバノンあたりで生まれた古代文明で、ワインの歴史と地中海全域への普及に重要な役割を果たしました。

ワインの歴史におけるフェニキア人の最も顕著な貢献のひとつは、交易拠点と植民地を築いた様々な地域にブドウ栽培とワイン醸造技術を広めたことです。熟練した船乗りであり貿易商であったフェニキア人は、古代世界の各地を結ぶ広大な海上交易網を築きました。彼らは交易活動を通じて、北アフリカ、南イタリア、シチリア、さらにはイベリア半島の一部といった地域にブドウの栽培とワイン醸造技術を伝えました。

フェニキア人はブドウの木の栽培とワイン醸造の知識をこれらの新しい領土に広めたとしばしば信じられており、これらの地域の文化的・経済的発展に永続的な影響を与えました。ワインは飲料としてだけでなく、貿易や文化交流における重要なツールとなりました。

さらに、フェニキア人はワインを貯蔵・運搬するための大きな土器であるアンフォラを開発したと考えられています。これらのアンフォラは、地中海を横断するワインの貿易において極めて重要な役割を果たし、異なる文化や地域間のワインの交換を促進しました。

フェニキア人がこれらの地域にブドウ栽培とワイン文化を導入する重要な役割を果たした一方で、それが実際どれほどの影響を及ぼしたのかは、限られた歴史記録文書しか存在しないことと、長い時間の経過により詳細には解明できていません。しかし、彼らの交易ネットワークと文化交流が、古代地中海におけるワイン文化の普及に貢献したことは紛れもない事実です。

アスプリニオ・ディ・アヴェルサ

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アスプリニオ・ディ・アヴェルサ

2023年8月24日

アスプリニオ・ディ・アヴェルサは南イタリアのカンパニア地方で栽培されるユニークであまり知られていない白ワインで、その古代の葡萄畑には魅力的なストーリーがあります。主にカゼルタ州、アヴェルサの歴史ある町の近くで栽培されるこの土着のブドウ品種は、ローマ時代まで遡ることができる歴史を持っています。

アスプリニオ・ディ・アヴェルサはその特異な栽培方法で知られており、「アルベラータ」システムと呼ばれるもので、ブドウの木は栗の木の枝に沿って育てられパーゴラが形成されます。この古代の技術はブドウを強烈な日光から守るだけでなく、より良い通風を促し病気のリスクを減らします。

その結果、生まれるワインは栽培方法と同様にユニークです。アスプリニオ・ディ・アヴェルサは淡いレモン色をしており、微かな泡立ちがあります。この泡立ちはボトル内で自然発酵することによるものです。その活気ある泡立ちとクリスピな酸味は、シーフードや軽い地中海料理との相性が抜群です。

フラスカーテイ

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フラスカーテイ

2023年8月18日

フラスカーティワインはローマ近くの美しい丘陵地帯、古代の町フラスカーティを拠点としています。この白ワインはローマ時代に遡る歴史があります。

主にマルヴァジーア・ビアンカ・ディ・カンディア、マルヴァジーア・デル・ラツィオ、トレッビアーノ・トスカーノなどの土着のブドウ品種から造られています。これらのユニークなブドウの組み合わせがデリケートな花の香り、爽やかな柑橘類の風味、そしてリフレッシュなミネラル感をもたらしています。

フラスカーティには様々なスタイルがあり、シーフードやサラダと相性抜群なドライでクリスピな「フラスカーテイDOC」から、カンネッリーノスタイルまで幅広く存在します。「カンネリーノ・ディ・フラスカーテイDOCG」は遅摘みのブドウを使用して作られる甘口のフラスカーティで、蜂蜜や熟したフルーツ、芳醇な花の香りが特徴で、デザートとの相性は抜群です。「フラスカーティ・スペリオーレDOCG」は「フラスカーテイDOC」のように辛口ワインですが、収穫量は低く、「フラスカーテイDOC」よりも個性的で深みがあります。樽熟成は珍しいですが、樽を使っている生産者もいます。

フラスカーティを訪れると、魅力的なブドウ畑やワイナリーを巡ることができ、何世紀にもわたりこの地域を形成してきたワイン文化に浸ることができます。毎年開催されている「ヴィナーリア・プリオーラフェスティバル」では、多様なフラスカーティワインを楽しむことができる素敵な機会です。

パリスの審判

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パリスの審判

2023年8月3日

1976年、世界のワイン界を一変させた『パリスの審判』が行われました。英国のワイン商であるスティーブン・スパリア氏がパリでブラインドテイスティングを企画し、カリフォルニアワインとフランスの有名なワインを対決させました。フランスの名だたる審査員たちは各ワインの産地を知らされることなく、それらをランク付けして評価しました。

誰もが驚く結果となりました。カリフォルニアワインがトップに躍り出たのです。シャトー・モンテレーナの1973年のシャルドネと、スタッグス・リープ・ワイン・セラーズの1973年のカベルネ・ソーヴィニヨンが、それぞれのカテゴリーで勝利を収めたのです。

この審査の結果はワイン界に衝撃を与え、長らく続いていたフランス、ヨーロッパ以外でも素晴らしいワインを造れることを明らかにしました。パリス審査はカリフォルニアワインの評判を大いに向上させ、その地域を世界的なワインの強国へと変貌させました。

カリフォルニアだけでなく、このイベントは他のニューワールドのワイン産地にも国際舞台での躍進を促し、多様で包括的なワイン産業の芽を吹かせました。パリスの審判はワインの知見を永遠に変え、新たなプレーヤーが名誉あるワイン製造の世界に参入する道を切り開いた忘れられない歴史的瞬間でありました。

バルブ・ニコル・ポンサルダン:ヴーヴクリコ

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バルブ・ニコル・ポンサルダン:ヴーヴクリコ

2023年7月28日

1866年7月29日、バルブ・ニコル・ポンサルダンがブルソー(シャンパーニュ地方)で死去。享年89歳。

バルブ・ニコルは1798年にフランソワ・クリコと結婚しました。彼女の夫は銀行家であり羊毛商人でもありましたが、シャンパーニュ・ワインの生産も行っており、この事業を拡大しようとしていました。悲しいことに結婚生活は1805年までしか続かず、フランソワはおそらく腸チフスで亡くなりました。

バルブ・ニコル(現在のクリコ未亡人、「ヴーヴ・クリコ」)はわずか27歳でありながらこの挑戦に立ち向かいました。当時、女性の法的権利は男性よりもはるかに低く父親か夫のどちらかに管理されていましたが、未亡人にはそのようなことはなく、より自由を享受し、自分のビジネスを経営することができ、ヴーヴ・クリコはまさにこれを実践しました。当初、まず義父のもとで訓練を受け、シャンパーニュ・メゾンを引き継いだ最初の女性となり、やがて自らのメゾン「ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン」を立ち上げました。

ヨーロッパ、特にフランスはその当時容易な時代ではありませんでした。革命が起こり、次にナポレオン戦争が起こり、少なくとも1815年まではフランスは他の大陸のほとんどすべてから敬遠されていました。それでもマダム・クリコはナポレオン紛争終結の数週間前にシャンパンをロシアに送り、ナポレオンがエルバ島に追放された後、和平が宣言されるとすぐにシャンパンを販売するなど、大胆な決断を下し、常に会社を前進させていました。彼女はまた、今日使われているリドリング法(壜内二次発酵によって生じた澱を壜口に集める作業のこと)の発明者としても知られています。

マメルティーノ

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マメルティーノ

2023年7月24日

マメルティーノDOCはシチリアのメッシーナの西側に広がるエリアをカバーしています。この産地では赤ワインと白ワインが生産されています。赤ワインにはネロ・ダヴォラとノチェラ品種が使われ、白ワインにはグリッロ、インゾリア、カタラット品種が用いられます。リゼルバも可能です。

マメルティーノDOCの歴史は古代ローマ帝国に遡ります。この地域のワインは当時最高のイタリアワインの一つとされ、プリニウス氏によるとユリウス・シーザーのお気に入りワインだったということです。ローマ帝国の崩壊後、マメルティーヌムは姿を消し、19世紀に再興されました。

今日では、シーザーが当時どんなスタイルのワインを飲んでいたのか、そして現在のマメルティーノDOCにどれだけ近かったのかを想像するのは非常に難しいですが、伝統は生き続け、今もなお古代から伝わるワインの歴史を繋いでいます。

アフリカとイタリアの間にある島、パンテッレリーア

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アフリカとイタリアの間にある島、パンテッレリーア

2023年7月11日

地中海に浮かぶ小さな島、パンテッレリア島のワインはユニークで魅力的です。火山性のこの土地は恵まれた気候条件と美しさで知られており、卓越したワインを生み出すための理想的なテロワールを提供しています。

パンテッレリアの中でも最も有名なワインは、パッシート・ディ・パンテッレリアです。この甘口ワインは干しブドウから作られます。地元のジビッボ(アレクサンドリアのマスカット)として知られるブドウ品種は、島の火山性土壌で繁茂し、濃い日差しと涼しい海風の恩恵を受けています。ブドウは丁寧に収穫され、伝統的な干し網で乾燥させられ、糖分と風味を凝縮させます。そうしてできたパッシート・ディ・パンテッレリアは豊かな琥珀色のワインで、ドライフルーツやハチミツ、スパイスの風味があり、甘みと酸味のバランスが楽しめます。

また、パンテッレリアはジビッボから作られる辛口の白ワインでも有名です。これらのワインは島固有のテロワールを表現し、花や香りの特徴を引き立たせます。クリスプで爽やかなパンテッレリアの辛口ワインは、しばしば柑橘類の風味やトロピカルな風味、そして特徴的なミネラルのニュアンスを持ち、土地の火山的な起源を反映しています。

パンテッレリアのワイン醸造家たちは伝統と職人技に誇りを持ち、島の自然資源を尊重し、持続可能な製法を取り入れています。パンテッレリアのワインは豊かな風味と独自の個性によって、地元のワイン醸造コミュニティの情熱と奉仕の証です。

パンテッレリアのワインを探求することは、この島の歴史、文化、自然の美しさへの旅です。一口飲むごとにパンテッレリア島の歴史、文化、自然の美しさを感じられる旅となり、この魅惑的なパンテッレリア島のエッセンスが世界中のワイン愛好家たちに深い印象を与えるでしょう。

エトナDOC 魅力あるシチリアワイン産地

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エトナDOC 魅力あるシチリアワイン産地

2023年6月23日

エトナDOCはイタリア・シチリアの東海岸に位置し、ヨーロッパ最大の活火山であるエトナ山の麓にある評判の高いワイン産地です。ユニークな火山性のテロワールと伝統的な豊かなワイン造りをするということで、エトナDOCは優れたワインを生み出す魅力的な地域として注目されています。

エトナDOCのブドウ畑はエトナ山の斜面に広がり、海抜400から1,000メートルの高度にわたります。この標高と火山性の土壌は優れたワイン生産に貢献する特異な気候を形成しています。火山性の土壌にはカリウムや鉄などのミネラルが豊富に含まれており、ブドウにこの地独特の特性をもたらします。

エトナDOCでは主に固有の赤ブドウ品種であるネレッロ・マスカレーゼが栽培されています。ネレッロ・マスカレーゼは火山性の土壌で繁茂し、活気ある酸味、繊細なタンニン、赤系果実の風味を特徴とします。その優雅さや熟成能力から、しばしばバローロで使用されるネッビオーロと比較されます。また、ネレッロ・マスカレーゼに加えてネレッロ・カプチョ、カッリカンテ、カタラットなども栽培されています。カリカンテは白ブドウでさわやかな酸味と柑橘系の風味を持つワインを生み出し、この地域のワイン生産に多様性をもたらしています。

エトナDOCのワインは果実味、土壌の風味、鉱物感のバランスが素晴らく、赤ワインは赤いベリーやチェリーの風味と共にハーブのニュアンスがあり、白ワインは爽やかな酸味、繊細な花の香り、フレッシュな柑橘系の特徴があります。エトナDOCのワインはその優れた品質と独自のキャラクターで国際的な評価を得ています。この地域のワイン生産者は持続可能な栽培を実践し、ワインの正統性を保護しています。

エトナDOCのワインを探索することは地質、気候、ワイン醸造技術を垣間見るエキサイティングな旅です。シチリアのユニークなテロワールを探り、エトナ山の斜面で作られる魅惑的なワインは愛好家を魅了することでしょう。

ディシプリナーレ(disciplinare)とは

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ディシプリナーレ(disciplinare)とは

2023年6月16日

イタリアの特定の地域や産地で生産されるワインの製造、品質基準、ラベル表示の要件などを規定する「ディシプリナーレ(disciplinare)」という法的な枠組みがあります。これはワインの品質や地域の特徴を保護し、確立するための規制機関によって設定されています。

ディシプリナーレには許可されるブドウ品種、ブドウ畑の管理方法、醸造技術、熟成要件、収量制限、品質基準などの様々な要素が含まれます。それぞれのワインカテゴリーにおいて特定の基準を維持するための条件が定められます。例えば、ディシプリナーレでは使用できるブドウ品種、ブレンド中の各品種の割合、剪定やブドウ畑の密度などのブドウ栽培方法、醸造方法(熟成期間など)が規定されます。

また、ディシプリナーレはワインのラベル表示やマーケティングにおいても規定しています。地理的な範囲や産地の指定、ラベルに使用できる用語(例:DOCやDOCG)を定め、アルコール度数や生産方法などの表示情報についても条件を設けることもあります。ディシプリナーレのルールを守る生産者は公式の認識や認証(例:DOCやDOCGのステータス)を得て、それをラベルに掲載しワインを販売することができます。

リオハのパイオニア:マヌエル・キンターノ

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リオハのパイオニア:マヌエル・キンターノ

2023年5月25日

マヌエル・エステバン・キンターノはスペインワインの歴史において非常に重要な、しかし見過ごされがちな歴史的人物です。マヌエルは1756年にスペインのバスク地方ラバスティダで生まれ、ブドウ栽培に深く関わる家族の元で育ちました。1782年にカトリックの司祭となりましたが、家族が何世紀にもわたって行ってきたようにワイン造りも続けていました。

マヌエルはボルドーに2度行き、オー・ブリオン、ラフィット、ラトゥール、マルゴーなどの名門シャトーを訪れ、除梗、ソフトプレス、硫化、オーク熟成などのワイン醸造技術を学びました。ラバスティダに戻ったマヌエルと彼の兄弟はこのボルドーの技術を自分たちの畑に導入し、特に樽熟成に重点を置きました。この新しいスタイルの最初のヴィンテージはあまり良くなかったのですが、その後のヴィンテージはマドリード、ビルバオ、ビトリア、そして北部の港で認められるようになりました。ワインの改良に力を注いだ結果、マヌエルはバスコンガダ協会から銀メダルを獲得しました。

1790年、マヌエルは国王カルロス4世からキューバ、メキシコ、ベラクルスの顧客に10樽のワインを販売する許可を得て、好評を得たことで、アメリカ大陸へのさらなる事業展開が促されました。しかし、1801年にワイン抽選制度が導入され、マヌエルの革新的なアプローチが脅かされることになります。この条例によりこの地域のワイン価格が平準化され、ボルドースタイルのワインを生産することが経済的に不可能になってしまったのです。マヌエルは自分のワイン造りを必死に守りましたが、結果的に諦めるしかありませんでした。1808年にナポレオンがスペインに侵攻し、フランススタイルのワイン造りは嫌われるようになりました。フランスは敵だったのです。

マヌエルは1818年6月16日、62歳の若さでこの世を去り、時代を先取りした先見者としてその名を残しました。ワイン造りの技術を向上させ、ボルドースタイルをスペインに導入することに尽力したマヌエルは、スペインに大きな影響を及ぼしました。彼の革新的な技術は見直され、一時的に衰退もしましたが、最終的にリオハのワイン醸造業界の発展の基礎を築いたのです。

オーストリアワイン

ワインの豆知識

オーストリアワイン

2023年5月18日

ヨーロッパの中心に位置しているオーストリアは昔からワインを造っています。ワイン産地はドナウ川とその支流沿い、およびハンガリー国境に近い国東部にあります。最も有名なワイン産地はヴァッハウで、辛口のリースリングとグリューナー・フェルトリーナーで知られています。これらのワインはミネラル感、酸味、複雑さが特徴で、しばしばドイツやアルザスの最高級ワインと比較されます。ヴァッハウはユネスコの世界遺産に登録されており、その急勾配の段々畑はヨーロッパで最も絵になる場所の一つです。

しかし、優れたワインを生産できるのはヴァッハウだけではありません。カンプタール、クレムスタール、トライゼンタール地方もリースリングやグリューナー・フェルトリーナーで知られており、東部のブルゲンランド地方では赤ワイン、特にブラウフレンキッシュやツヴァイゲルトで知られています。

オーストリアのワイン造りの歴史は長く、ローマ帝国時代までさかのぼります。中世には、ワイン造りは主に修道院で行われていました。オーストリアを何世紀にもわたって支配したハプスブルク家もオーストリアワインをヨーロッパ内外に広める重要な役割を担っていました。

近年、オーストリアワインはルネッサンス期を迎えて、ワインメーカーは量より質を重視し、伝統的な手法を尊重しながらも近代的なワイン醸造技術を取り入れています。フランス、イタリア、ドイツなどと比べると生産量は少ないですが、世界的に人気と認知度を高めてきています。そして、オーストリアのワインメーカーの多くは、有機農法やバイオダイナミック農法を採用しており、より美味しいワインを造るようになってきています。

バロッサ スーパー100

ワインの豆知識

バロッサ スーパー100

2023年5月11日

バロッサ・スーパー100は100豪ドル以上で販売されている著名なバロッサワインの格付けリストです。バロッサ特有のこの格付けではバロッサで最も人気がある以上のワインが掲載されており、コレクション性の高い優れたワインが掲載されています。

価格はワイナリーが設定していますが、一方的に設定するのではなく、ラントンズ・クラシフィケーション・オブ・オーストラリアン・ワインやJames Halliday Australian Wine Companionなど、他の第三者による評価も必要です。このリストはバロッサで造られた全てのワインを記載しているわけではありませんが、名高いワインに興味を持っている消費者の参考になり、バロッサの多様性をさらに深めるきっかけとなっています。

Penfolds、Hentschke、Torbreckといった有名なワインブランドはこの格付けリストによく掲載されています。また、Soul Growers、Z Wine、The Standish Wine Companyなど、新興ワインブランドも発見することができます。

希少で優れたバロッサワインをもっと知りたい方は、ぜひ5月26日に開催される特別セミナー「バロッサの希少で優れたワイン Barossa Rare & Distinguished」にご参加ください。バロッサのスーパー・プレミアム・ワインの試飲をお楽しみいただけます!

ジン

スピリッツの豆知識

ジン

2023年4月20日

ジンは、ジュニパーベリーなどの植物で香り付けされた透明な蒸留酒です。

ジンの起源は、モルトワインから作られ、ジュニパーベリーで香りをつけたオランダの蒸留酒「ジェネバー」に遡ります。この蒸留酒は17世紀初頭に初めて製造され、瞬く間にオランダをはじめとするヨーロッパ全域で人気を博しました。

そして17世紀半ばに、30年戦争でオランダ兵がイギリス諸島にジェネバーを持ち込みました。この時、オランダ語のジュニパーに由来する「ジン」という名前が付けられました。やがて、ジンはイギリスで人気のスピリッツとなり、さまざまなスタイルで製造されるようになりました。現在最も一般的なジンのスタイルである『ロンドン・ドライ・ジン』は、19世紀に初めて製造され、ドライでさわやかな風味と、シトラスピール、コリアンダー、アンジェリカルートなどの植物原料を使用していることで知られています。

ジンの製造は、穀物アルコールや糖蜜などの中性スピリッツを蒸留することから始まり、その蒸留酒に混合されたボタニカルを注入します。ジンに使用されるボタニカルの種類はさまざまですが、ジュニパーベリーは常にその重要な成分の一つです。蒸留酒にボタニカルを加えた後、再蒸留して仕上げます。この再蒸留の過程で、ボタニカルの風味がスピリッツに溶け込み、ジン特有の味と香りが生まれるのです。

近年、ジンへの関心が再び高まり、多くのクラフトディスティラーがユニークで革新的なスピリッツを製造しています。伝統的な『ロンドン・ドライ・ジン』から、珍しい植物を使った実験的なスタイルまで、ジンは長く魅力的な歴史を持つ人気のスピリッツです。

山のネッビオーロ<ヴァルテッリーナのワイン>

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山のネッビオーロ<ヴァルテッリーナのワイン>

2023年4月6日

ネッビオーロはピエモンテ州だけでなく、ロンバルディア州のヴァルテッリーナ地域でも栽培されています。

ヴァルテリーナはロンバルディア州の最も北に位置する栽培地域です。アルプスの麓、アッダ川の北岸にある非常に狭い土地にブドウ畑が広がっています。南向きの畑はは晩熟のネッビオーロに最適です。

このエリアには、ネッビオーロ品種に基づく3つのアペラシオンがあります。それは、ヴァルテッリーナ・スーペリオーレDOCG、スフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナDOCG、ロッソ・ディ・ヴァルテッリーナDOCの3つです。

ヴァルテッリーナ・スーペリオーレとロッソ・ディ・ヴァルテッリーナは、新鮮なブドウを使った辛口ワインです。スーペリオーレは、より厳格な条件を備えており、その結果、ロッソ・ディ・ヴァルテッリーナよりも骨格がしっかりしていますが、バローロやバルバレスコといった他のネッビオーロをベースにしたワインに比べるとまだ軽めです。

スフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナは、収穫年の少なくとも12月10日まで乾燥させたネッビオーロから造られる非常に特殊なワインです。その後、ブドウは破砕され、果汁が醸造されます。ワインは最低でも20ヶ月、そのうち最低でも12ヶ月は樽で熟成させます。ドライフルーツ、スパイス、タバコのアロマを持ち、非常に複雑なワインに仕上がります。口当たりはベルベットのように滑らかです。アマローネ・デラ・ヴァルポリチェッラDOCGと似ていますが、品種とテロワールの違いにより、力強さはなく、よりエレガントです。ピッツォッケリ、ポレンタ・タラーニャ、ブレザオラ、フォルマッジョ・ダルペッジョのヴァルテッリーナ料理に最適なワインです。

ウィラメット・ヴァレー

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ウィラメット・ヴァレー

2023年3月30日

米国オレゴン州のウィラメット・ヴァレーは、ポートランドのすぐ南に位置するワイン産地で、優れたピノ・ノワールとシャルドネを生産しています。

冷涼な気候で、生育期が長く穏やかなため、ブドウはゆっくりと熟し複雑な風味を生み出します。これは、太平洋に近いため、海からの冷たい空気や霧が内陸に流れ込むためです。また、水はけの良い火山性土壌の恩恵もあり、凝縮した風味を持つブドウが育ちます。

ウィラメット・ヴァレーでは、ピノ・ノワールが特に有名です。チェリー、ラズベリー、土のニュアンスを持つ、エレガントでミディアムボディのスタイルが特徴的です。シャルドネもよくできています。明るい酸味とさわやかな柑橘系の風味、そしてフランス産の樽で熟成させたオークの香りがあります。この産地はシャルドネやピノ・ノワールに非常に適しているため、ブルゴーニュの生産者であるルイ・ジャドやジョセフ・ドルーアンもここでワインを造っています。

ウィラメット・ヴァレーは、まさにワイン産地の隠れた宝石といえるでしょう。新しくてエキサイティングなワインを探検したいワイン愛好家は、間違いなく試すべき素晴らしいワインです。

クラレテ

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クラレテ

2023年3月23日

「クラレテ」とは、スペイン、特にカスティージャ・イ・レオンで造られるロゼワインのスタイルです。このスタイルは非常に独特で、通常のロゼワインの製法とは異なります。

通常、ロゼワインは直接圧搾するか、短時間のマセラシオンで造られますが、クラレテは黒ブドウと白ブドウを一緒に発酵させ、赤ワインのように発酵の最後まで果皮にマセラシオンをさせたままにしておくことで造られます。その際使用するブドウは、25%以上が赤ワインでなければならないと定められています。

クラレテの最も重要なアペラシオンは「シガレスDO」で、通常はテンプラニーリョ(地元ではチェンシベルと呼ばれる)とベルデホのブレンドで作られています。他の地域では、ヴィウラ、ガルナッチャ、ボバル、アルビロ、マルヴァジアなどの品種も使われています。

淡いピンク色で豊かな果実味を持ち、白ワインのような繊細さと、黒ブドウの果皮から生じる骨格も合わせ持つのが「クラレテ」の典型的なスタイルです。

スペインワインについてじっくり学びたい方には「Spanish Wine Scholar」講座がおすすめです。

接ぎ木

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接ぎ木

2023年3月16日

世界中のワインのブドウの木の大部分は接ぎ木です。接ぎ木とは、台木に切り込みを入れ、その中に収まるように切った穂木を加えて、新しいブドウの木を作ることです。

フィロキセラはヴィティス・ヴィニフェラ種のブドウの木の根を食べる小さなアブラムシですが、アメリカ系のブドウの木の根を攻撃することはできません。そのため、より風味の良いワインができるヴィティス・ヴィニフェラ種のブドウの木を穂木として、アメリカ系のブドウの木を台木として使用するのが一般的です。

接ぎ木にはさまざまな方法がありますが、最もポピュラーなのは「ベンチ接ぎ」で、動画映像にあるように、育苗場で行われているものです。

メンドーサ

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メンドーサ

2023年3月9日

メンドーサは、アンデス山脈の麓に位置するアルゼンチン最大のワイン生産地です。標高が高く、昼は暖かく夜は涼しく、乾燥した気候がブドウの栽培に最適な条件を生み出し、高品質なワインを生産しています。

メンドーサで最も多く栽培されているブドウ品種はマルベックです。その他、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラーなどの品種を栽培していて、白ワインではシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、トロンテスもあります。

この地域はいくつかのサブリージョンに分かれており、それぞれが独自の特徴を有しています。例えば、ウコ・ヴァレーは標高が高く、沖積土で知られており、素晴らしい骨格とエレガンスを持つワインを造り出しています。一方、メンドーサ東部は温暖な気候で、安価なワインを大量に生産することで知られています。

押さえておきたい主要ブドウ品種や主要産地について総合的に学びたい方には「WSET ワインLevel2」がおすすめです。

チャコリ

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チャコリ

2023年3月2日

チャコリとは、スペイン北部 バスク州で造られるワインのスタイルです。リオハやプリオラートのような地域で造られるワインとは全く異なり、通常は地元の品種であるホンダリビ・ズリから造られる白ワインですが、ごく一部、黒ブドウのホンダリビ・ベルツァを主原料とするロゼワインもあります。

バスク州の地域は大西洋によって冷やされ、降雨量は高く、チャコリはこの気候を如実に反映しているのです。白ワインは淡いレモン色もしくは緑がかったレモン色で、さわやかで酸が高く、柑橘類や白い花の香りがします。ロゼワインも同じく酸が高く、柑橘類や赤いフルーツの新鮮な香りがします。また、場合によっては、口中で軽いスプラッシュを示すこともあります。この地域の豊富な魚介類と完璧にマッチし、相性が抜群です。

Spanish Wine Scholarの講座では、スペインワインについてじっくり学ぶことができます。

バロッサ・オールド・ヴァイン

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バロッサ・オールド・ヴァイン

2023年2月22日

低収量の古木は、安定した成長プロセスで力強く風味豊かな果実をもたらし、ワインの複雑さ・質感・バランスを高めます。世界最古のブドウ樹はオーストラリアのバロッサにあり、1843年に植えたシラーズの畑は現在も生き残り、ワインを生産し続けています。

古木のブドウから造られたワインと示すには、「オールド・ヴァイン」「ヴィエイユ・ヴィーニュ」「ヴェッキエ・ヴィーニエ」などの書き方をしますが、樹齢何年以上のブドウの樹が「古木」と呼べるのかは法的に定められていません。しかし、バロッサ地方では2009年から「バロッサ・オールド・ヴァイン・チャーター」を制定し、それによって古木は4つのカテゴリーに分類されています。

オールド・ヴァイン樹齢35年以上
サバイバー・ヴァイン樹齢70年以上
センテナリアン・ヴァイン樹齢100年以上
アンセスター・ヴァイン樹齢125年以上

バロッサでは現在樹齢100年以上のブドウの木は現在233ヘクタール植えられており、それらの古木は非常に重要視されているのです。オーストラリアトップ産地の一つであるバロッサについてご興味をお持ちの方は、バロッサ・オーストラリアが2.5時間の導入講座として構成した「バロッサ・ワインスクール・レベル1」にぜひご参加ください!

シラー

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シラー

2023年2月16日

本日2月16日は『国際シラーの日』です!皆さんシラーはお好きですか?シラーについて知っていますか?

シラーは、温暖な気候で育つ皮の厚い黒系の品種です。一般的に黒い果実(ブラックチェリー、ブラックベリー)と黒コショウや甘草などのスパイスが感じられます。国際的な品種のため多くの国で栽培されていますが、最も有名な生産地は北ローヌとオーストラリア(ここではシラーズと呼ばれています)です。この品種は樽熟成に適しており、素晴らしいワインは何年も瓶内で熟成され、肉、土、狩猟などの発達した風味が感じられます。

シラーはさまざまな料理に合わせることができます。複雑なシラーは、ラムやイノシシなどのリッチな肉料理と相性が良く、シンプルでフレッシュなシラーは、セミハード・チーズ、ミートボール・パスタやハンバーガーなどと合わせると良いでしょう。皆さま、本日はシラーで乾杯しましょう!

珍しいイタリアのブドウ品種「ルケ」

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珍しいイタリアのブドウ品種「ルケ」

2023年2月9日

ルケは、北イタリアのピエモンテ州の小さな町、カスタニョール・モンフェッラートで栽培されているとても珍しいブドウです。

バラやフルーツ、スパイスなどの独特のアロマとフレーバーを持ち、とても香り高いワインを生み出します。アスティ近郊のルケ・ディ・カスタニョーレ・モンフェッラートDOCGで使用されています。熟成しないフレッシュな赤ベリーの香りをするルケも作られていますが、樽熟成によってクローブやナツメグなどの複雑な風味ができるものもあります。

ルケをテイスティングしてみませんか?2022年インストラクター・オブ・ザ・イヤーを受賞した、エットレ講師のイタリアワインスカラー<Unit1>講座は4月からスタートします!ぜひお気軽にご参加ください。

ロゼワイン

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ロゼワイン

2023年2月2日

ロゼワインの作り方はいろいろありますが、大きく分けて3つの方法があります。

まずは直接圧搾です。この方法では黒ブドウを収穫後すぐに圧搾します。そのため、色素を含む果皮と果汁の接触が最小限に抑えられます。その後、白ワインと同じように低温で発酵します。この方法によって、柑橘類や赤い果実のフレッシュな風味を持つ、繊細なロゼワインになります。

2つ目の方法は、短期間のマセラシオンです。この方法では、発酵前または発酵中に黒ブドウの果皮をしばらくの間果汁と一緒に発酵させます。赤ワインの製造時よりもマセラシオンの期間は短くなるため、薄い色になります。この方法で造られたワインは、直接圧搾法で造られたロゼワインよりも赤い果実の特徴がより豊かになり、色も濃くなります。

最後の方法はブレンドです。白ワインと赤ワインをブレンドしてロゼワインを作ります。EUではこの方法はスティルワインには使用できませんが、スパークリングワインでは認められています。シャンパーニュの多くはこの方法で造られています。ワインのスタイルは赤白のブレンド比によって決まります。赤ワインを多く使った場合、よりリッチで赤系果実の風味が強くなり、白ワインを多く使った場合、よりフレッシュで柑橘類や青系果実の風味が強くなります。

WSET Level2の集中3日間コースでは、ロゼワインやブドウ品種の特徴について理解を深められます。

クリュ・ブルジョワ

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クリュ・ブルジョワ

2023年1月20日

クリュ・ブルジョワとは、1855年の有名格付けに含まれなかったメドック(ボルドー地方)のシャトーに与えられる格付けです。この格付けは1932年に創設され、数十年の間に何度も変更されました。2020年に再び改定され、最新版では249のシャトーが3つのレベルに分けられています。クリュ・ブルジョワ、クリュ・ブルジョワ・シュペリュール、クリュ・ブルジョワ・エクセプショネルの3つのレベルに分けられた249のシャトーが認定されています。

クリュ・ブルジョワのシャトーは、1855年のクリュ・クラッセのシャトーよりも格下とされていますが、それでも品質は高く、コスパがとても良いものが多いです。有名なクリュ・ブルジョワの例としては、シャトー・パヴェール・ド・ルーズ、シャトー・ル・クロック、シャトー シャルマユイなどがあります。

\ボルドーワイン生産者来日&テイスティングあり/ボルドーワインについてもっと学んでみませんか?
1月26日に特別セミナー「シャトー・ルデンヌ 気候条件がワインに与える影響とは」を開催いたします。

カリフォルニアワイン

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カリフォルニアワイン

2023年1月12日

カリフォルニア州は、米国で最もワイン生産量が多い州です。25万ヘクタール以上のブドウ畑を持ち、日常的に飲める手頃な価格のワインから最高品質のプレミアムワインまで製造しています。

カリフォルニアワインの名声が高まったのは、1976年、いわゆる「パリスの審判」までさかのぼります。「パリスの審判」は、イギリスのワイン商であるスティーブン・スパリエが主催したトップレベルのフランスワインと、まだ無名のカリフォルニアワインをブラインドテイスティングで競わせたイベントでした。審査員は、ワインジャーナリスト、ワイン生産者、ソムリエなど、フランスの有名なワイン関係者でした。ブラインドで試飲したワインに点数をつける方法でしたが、カリフォルニアワインは予想以上に高得点だったのです。実際に、赤も白もフランス産ではなく、シャトー・モンテリーナとスタッグス・リープ・ワイン・セラーズというカリフォルニア産のワインが最高点になりました。

この結果はみんなを驚かせ、いくつかの論争を引き起こしましたが、アメリカの雑誌はこの結果を誇らしげに報じ、アメリカの生産者はついに自国のトップクラスのワイン造りの可能性を認識しました。今日、米国、特にカリフォルニアは有名なワイン生産国であり、世界の偉大なワインをいくつか造っていることで知られています。

カリフォルニアワインについてもっと知りたい方は、ぜひ2月開講の「キャップストーン・カリフォルニア初級レベル1」にご参加ください!

アイスワイン

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アイスワイン

2023年1月5日

アイスワインは、ドイツの有名なスタイルのワインです。その起源は古く、紀元44年には古代ローマの作家プリニウスが既にこのワインについて語っていました。

アイスワインを造るには、ブドウを樹につけたまま凍らせる必要があります。凍らせるためには気温がマイナス7度以下まで下がらなければならず、12月もしくは1月に収穫を行うケースも少なくありません。その際、ブドウの実の中にある果肉の水分が凍ってしまうため、ワイナリーで圧搾するときブドウの実に含まれる水分は凍ったままでプレス機に残り、水より凝固点の低い甘い果汁だけが高濃度のマストとして得られます。

アイスワインを造るにはブドウを長くブドウ機につけたままにしないといけないため、リスクが伴います。また、暖かすぎる年はアイスワイン自体造ることができませんし、寒冷地で冬に収穫を行うことも決して容易ではありません。

しかし、できあがったワインの品質は高いです。生産者、産地、ブドウ品種によってその香りや味わいは異なりますが、いずれも甘く、酸味が高く、ストーンフルーツやトロピカルフルーツを思い出す強い風味を見せてくれます。ブドウに含まれる水分のほとんどが失われるため、生産量は少なく、そのためアイスワインは通常小瓶でとても高い価格で売られています。

スピリッツの色

スピリッツの豆知識

スピリッツの色

2022年12月22日

スピリッツは色で熟成具合を判断することができません。スピリッツは蒸留されたとき、最初は常に水白で無色なのです。その後、ウイスキーやコニャックなどは樽熟成され、年数に応じて金色、琥珀色、茶色になりますが、高級な生産者でもカラメルで色を補正したり加えたりすることが非常に多いのです。このカラメルは甘みを加えるものではなく、熟成を模倣したり、ロットでスピリッツの色に一貫性を持たせたりするためです。

その結果、きれいな黄金色を見せるテキーラやラム酒などは、本当はオークで熟成されていないこともよくあります。一方、水白で無色のホワイト・ラムはオーク樽で熟成させている場合があります。その場合は瓶詰めする前に、スピリッツは木炭の層で濾過されて色を取り出します。そのため、スピリッツの熟成方法を正確に評価する唯一の方法は、オーク材の香りがするかしないかを確認することです。

蒸留酒を正しく評価する方法を知りたい方は、1月開催の「WSETスピリッツ・レベル1講座」にぜひご参加ください!

白リオハ

ワインの豆知識

白リオハ

2022年12月15日

リオハは赤ワインで有名ですが、白のリオハを飲んだことがありますか?

リオハの伝統的な白ワインのスタイルは、オークで長期間熟成され、第二、第三のアロマを多く含み、リッチで複雑なスタイルを見せていました。しかし今日、リオハのフレッシュなワインはますます重要性を増しています。近年、白ワインの生産量は増加し、国内および輸出市場で人気を博しています。

白ワインの主要品種はヴィウラで、伝統的なスタイルと新しいフレッシュなスタイルの両方のワインを造っていますが、マイナーな品種も発見する価値があります。例えば、テンプラニーリョの突然変異種であるテンプラニーリョ・ブランコや、花やトロピカルフルーツの香りがするマトゥラーナ・ブランカなどがあります。これらの品種のワインは日本ではなかなか手に入りにくいですが、販売されています。もし見かけたら、ぜひ買ってみてください。

古代ワイン、ファレルヌム

ワインの豆知識

古代ワイン、ファレルヌム

2022年12月13日

ファレルヌムは、古代ローマで造られていたワインの名前です。古代ローマ人は、ワインの神バッカスからの贈り物だと信じていました。

伝説によると、ワインの神バッカスはマッシコ山(イタリア、カンパニア州)の斜面に変装して現れ、年老いた謙虚な農夫からもてなしを受けたといいます。老いた農夫は質素な身なりにもかかわらず、見知らぬ人を歓迎し、果物や蜂蜜、牛乳を差し出したそうです。当時、この地域ではワインが造られていなかったため、農夫はワインを持っていませんでした。

バッカスは彼の寛大さに感動し、お礼にミルクをワインに変え、人類への贈り物としてモンテ・マッシコの斜面を青々としたブドウ畑に変えました。現在もなお、イタリアにはこの地域でつくられる「ファレルノ・デル・マッシコ」というワインが存在します。

イタリアワインに関してもっと知りたい方には「イタリアンワインスカラー」がおすすめです!

ラム酒の原料

スピリッツの豆知識

ラム酒の原料

2022年12月1日

ラム酒はサトウキビから作られます。その方法には、サトウキビの絞り汁から作る場合と、糖蜜から作る場合があります。糖蜜は砂糖製造の際の副産物であり、ラム酒製造の最も伝統的な原料です。糖蜜の使用は、カリブ海で砂糖が発見された17世紀に始まりました。糖蜜は非常に安定した製品であり、いろいろな国で取引されています。糖蜜から作られるラム酒は、さまざまな風味がありますが、その中でも特にトロピカルフルーツの風味が特徴的です。

サトウキビの絞り汁は、主にカリブ海のマルティニーク島やグアドループ島でラム酒の原料として使用されていますが、日本の沖縄を含むその他の地域でも作られています。サトウキビの絞り汁は腐りやすいため、農園のすぐ近くで加工されます。植物や草、フルーティーな香りが際立つのが特徴です。このように、ラム酒の品質は多くの要素に左右されますが、糖蜜からもサトウキビの絞り汁からも、素晴らしい品質のラム酒が作られています。

ラム酒と他のスピリッツに関してもっと知りたいと思った方は、『WSETレベル1 スピリッツ』でぜひお会いしましょう!

マルサラ

ワインの豆知識

マルサラ

2022年11月24日

マルサラはイタリアで最も有名な酒精強化ワインで、その歴史は18世紀末に遡ります。白から赤、甘口から中辛、1年熟成から5年熟成まで、さまざまな製法があります。実際、規定では29種類のスタイルものマルサラを作ることが可能です。マルサラは過去に退廃的な時期もありましたが、熱心な生産者は徐々に増え、彼らが伝統を守ってきました。マルサラは料理用のワインではなく、シチリアの伝統的な料理と一緒に楽しむためのワインです。甘いマルサラはゴルゴンゾーラ、チョコレート、伝統的なカンノーロ・シチリアーノにマッチし、中辛のマルサラはシーフード、魚料理、ジビエなどにぴったり!何でも合わせられるワインなのです。

キャプランでこの歴史的なワイン産地の魅力を一緒に発見しましょう。12月6日に特別セミナー「フローリオ社と多様なスタイルのマルサラワイン」を行います。ぜひお気軽にご参加ください。

バロッサ

ワインの豆知識

バロッサ

2022年11月17日

バロッサはオーストラリアで最も有名なワイン産地の一つです。主なブドウ品種はシラーズですが、ここで造られるシラーズはすべて同じものではありません。2008年からバロッサ・グラウンズ・プロジェクトが地域を分割し(ノーザン・グラウンド、セントラル・グラウンド、サザン・グラウンド、イーデン・ヴァレー、ウェスタン・リッジ、イースタン・リッジ)、各エリアで非常に異なるスタイルのシラーズワインを造っていることを発見しました。

例えば、ノーザン・グラウンズはよりリッチで凝縮したワインを造り、サザン・グラウンズのシラーズはエレガントで、滑らかで、香りのよいワインを造っています。

バロッサワインについてもっと知りたいですか?
レベル1「バロッサ・エンスージアスト」でお待ちしています!

リオハワイン

ワインの豆知識

リオハワイン

2022年11月10日

リオハのワインは13世紀後半には早くも輸出され、ビルバオやサンタンデールから出荷され、主にオランダやイギリスに売られ成功を収めました。

そして、その品質を保証するために、1560年にはリオハ以外で栽培されたブドウの使用は禁止され、ワイン生産が規制されました。さらに、ワインは定められた規定の容器で輸送されることになり、その容器には産地を保証するための印が押されることになったのです。

リオハと他のスペインワインについて、もっと知りたいと思った方は、来月開始の『Spanish Wine Scholar』をぜひご受講ください!

イタリアのブドウ品種はイタリアでのみ栽培されていますか?

Ettore Wine Column #14

イタリアのブドウ品種はイタリアでのみ栽培されていますか?

2019年3月27日

ネッビオーロ、サンジョヴェーゼ、ネロ・ダーヴォラ、バルベラなどのブドウ品種からよくワインを作りますが、それらはほとんどイタリアのものです。例えば、ネッビオーロ → バローロ、バルバレスコ;サンジョヴェーゼ → キャンティやブルネッロ;ネロ・ダーヴォラ → チェラスオーロ・ディ・ヴィットリア;バルベラ → バルベラ・ダルバもしくはバルベラ・ダスティなどなど。

フランスのブドウ品種は世界中に広がっていますが、イタリアのブドウ品種はイタリア以外にはほとんどないようです。原因はいろいろありますが、20~30年前まではイタリアのブドウ品種はそれほどファッショナブルではなかったことが、その理由の一つだと思います。原産地から離れるとなかなか良いワインを作れないネッビオーロのようなものもあります。イタリアでもこんなに気難しいブドウ品種は少ないのではないでしょうか。

フランスの品種ほどではありませんが、なかにはイタリア以外の国で栽培されているイタリアの土着品種もあります。国際的に一番人気なのは、もちろんユニ・ブランとも呼ばれているトレッビアーノ・トスカーノですね。これはフランスに8万ヘクタール以上広がり、ワインだけでなく、コニャック、アルマニャックを作るためにも使っています。そして、アルゼンチン、ウルグアイ、ポルトガル、スペインでもよく見かけます。

その次にプリミティーヴォもかなり有名ですが、ジンファンデルの名前で知られています。アメリカでは2万ヘクタール弱あり、それからチュニジア、オーストラリア、ニュージーランドでも使います。故郷のクロアチアでは意外と少なく、65ヘクタールしか見つかりません。

3番目はイタリアで一番広く栽培されているサンジョヴェーゼでしょう。フランス(特にコルシカ)に1,500ヘクタールあり、ニエルッチョと呼ばれています。それからアルゼンチン、アメリカ、チュニジア、オーストラリア。ニューワールドのサンジョヴェーゼはそれほど有名ではありませんが、探せば日本でも見つかります。(ワシントンのレオネッティ・セラーズ、オーストラリアのパイクスやピッツィーニなど)

その他のイタリア土着品種は他の国ではかなり珍しく、ヴェルメンティーノは南フランス(プロヴァンスなど)でよく使われていますが、他の国にはほとんどありません。バルベラは南アメリカで少し人気がありますが、国際市場であまり見かけません。オーストリアのグラニット・ベルト地域(クインズランド州)ではイタリアからの移民が多く、フィアーノ、ネロ・ダーヴォラ、サグランティーノ、モンテプルチャーノ、ネッビオーロのような品種を使ってワインを作っている生産者がいます。味はやはりイタリアのものとは違いますが、品質が良いものがあります。

イタリアワイン「Classico」とは何?

Ettore Wine Column #13

イタリアワイン「Classico」とは何?

2018年12月21日

イタリアワインのラベルでよく見かける「Classico(クラシコ)」はイタリア独特の用言で、法律で定められている意味があります。

「クラシコ」という言葉はイタリア語では色々な意味がありますが、この場合は「代表的」「典型的」というふうに訳せます。皆さまはご存知かもしれませんが、ヨーロッパには「原産地統制呼称」という制度があり、そのワインを名乗るための条件がいくつかあります。

例えば自分のワインを「Valpolicella」と名乗りたければ、法律で限定された地域で造らないといけません。原産地統制呼称の名前(= Valpolicella)に「クラシコ」が付いたら、そのワインはValpolicellaの産地だけではなく、その産地の中でさらに小さい、一番古くからワインを造っているエリアからきているという意味です。つまり、「典型的なValpolicella」として認められています。クラシコの場合、収穫量などの栽培・醸造条件も普通のバージョンより少し厳しくなりますので、基本的に品質がより高いです。

普段日本で見かけられる種類はそれほどないですが、「○○ + Classico」というワインはたくさんあります。Soave Classico DOC、Orvieto Classico DOC、Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico DOC、Bardolino Classico DOC、Cerasuolo di Vittoria Classico DOCG、Cirò Classico DOC、Cannonau di Sardegna Classico DOC などなど。

しかし、Barolo、Taurasi、Barbaresco、Brunello di Montalcinoなどのように、クラシコが付かないワインもあります。クラシコを付けて良いかどうか、どのエリアがクラシコになるのか、どの条件に従わないといけないのか、などすべて法律で決められているのです。

最後に注意していただきたいのは、ClassicoはMetodo Classico(メートド・クラシコ)とは関係ないということです。Metodo Classicoはスパークリングワインを造るために使う伝統方式を示していますので、まったく別のものです。

【動画】インタビュー:『ツィント・フンブレヒト』ジョリーン・ハンター氏

【動画】インタビュー:『ツィント・フンブレヒト』ジョリーン・ハンター氏

Zind-Humbrecht – Jolene Hunter Interview

2018年11月12日

ワイン造りの経験を積み、現在はツィント・フンブレヒトの輸出部長であるジョリーン・ハンター氏。ワイン造りの経験を活かしてテロワールの知識を深めた彼女に、ワイナリーの考え方や自然栽培・醸造の大切さ、日本料理とリースリングの合わせ方などについて、いろいろお話を聞かせていただきました。

Jolene Hunter is the export manager for famous Alsatian producer Zind-Humbrecht, but she also worked in the vineyard and in the winery. In this interview we are going to discover the philosophy behind Zind-Humbrecht wines, the importance of natural grapegrowing and winemaking and the best pairing between Japanese food and Alsatian Riesling.

インタビュー全文はこちら

本日はお越しいただきありがとうございます。

ありがとうございます。

ツイント・フンブレヒトに関して質問させていただきたいと思います。まずは、ツイント・フンブレヒトはさまざまなテロワールから色々なキュヴェを造っていますが、どういったスタイルを目指していますか、どういった考え方をお持ちですか?

はい、もちろん。アルザスは多様な土壌とテロワールを持っています。ツィント・フンブレヒトではそれぞれのテロワールの違いをワインに反映したいと思っています。ツイント・フンブレヒトは一つのテロワールだけに集中していないと思います。私たちの目的はアルザスの葡萄品種を使ってテロワールの多様性を伝えることです。

全てのテロワールを説明しようと思えば日が暮れると思いますが、お気に入りの「テロワール」はありますか?「そこで働きたい!」と思わせられる畑とか・・・

親はお気に入りの子供ないでしょう?とにかく、こちらの「クロ ヴィンスヴュール」の畑は私にとって、とても特別なテロワールです。畑に立つだけでも気持ちが落ち着きます。大きさは5.5ヘクタール、少し上ると森が広がります。森と石灰土壌のおかげで涼しい環境なので、クロ ヴィンスヴュール畑はヴィンテージ・葡萄品種・スタイルにかかわらず、とてもピュアな、清らかなワインを造れます。

こちらのワインは2015クロ ヴィンスヴュール リースリングですね。香りはまだ少しシャイですが、ミネラル感ははっきりしていて、酸味はとてもエレガントです。崩れた石のような感じがするので、「シャブリっぽい」と言えるぐらいのスタイルですね。適切な酸味のおかげで、素晴らしいフォーカスと風味の強さを楽しめます。お気に入りのテロワールはどこ?と聞かれると、確かにこのクロ ヴィンスヴュールを選びます。

畑では自然派葡萄栽培を活かしていると聞いていますが、どれぐらい大切ですか?

欠かせないことですね。弊社にとってビオディナミはとても大切で、20年前から使っています。弊社のワインはオーガニックとビオディナミを認定されています。テロワールの違いをはっきりと見せるためにとても重要だと思います。畑のバランスを保つためにとても役に立つ知識です。植物と微生物のバランスとか、葡萄樹の勢いのバランスとか。葡萄樹はバランスを取って成長しているから、バランスを取ったワインを造れていると思います。

ワイナリーでも自然な醸造方法を使っていますか?

もちろん、ワイナリーでも同じアプローチを取っています。たとえば、醸造の流れを太陰暦に合わせていますので、瓶詰は下弦の月の時期にしか行いません。澱引きも同じです。もちろん「自然派ワイン醸造」というのはあいまいな言い方でもありますね。私たちは野生酵母を使って3~12カ月の長い発酵を行います。二酸化硫黄 (SO2)を使用しますが、量は制限しています。それはワインを守るためです。それで日本、東京へ出荷した弊社のワインをおいしく飲んでいただけます。

アルザスワインはアジア料理にとても合うと思います。特にスパイシー料理ですね。日本料理の場合は何を合わせればいいでしょうか?

色々な料理を合わせられると思います。日本料理は多種多様で、地域によって変わります。私たちはアロマティックな葡萄品種を使っているので、華やかなワインを造っています。それと同時に北フランスなので、清らかさといい酸味もあります。リースリングは料理に合わせるときにフォーカスが必要です。つまり、マッチングにはかなり気を配る必要があります。とてもクリーンなワインなので、刺身と寿司はとても合うと思います。

もっとリッチな料理のときは、例えば天ぷらなどにはしっかりとしたピノグリが合うと思います。そして、華やかなゲヴュルツトラミネールは旨味が多い、醤油のかかった料理と一緒に美味しく飲めます。和牛にうまく合わせたことがあります。牛肉のジューシーさとゲヴュルツトラミネールのスパイシーは本当にぴったりです。

白ワインとビーフ!

そうです、白ワインとビーフ!斬新かもしれませんが、たまに伝統的なマッチングを繰り返すよりも、独創的な考え方を持っていいと思います。特に他国の(フランス料理ではない)料理の場合、全ての要素を考慮するべきですね。牛肉=赤ワインを考えなくてもいいと思います。例えばゲヴュルツトラミネールは鴨にもよく合います。わりとタンニンがあるので強い味に負けない葡萄品種です。

ありがとうございました。日本の皆さまに何かメッセージはありますか?

ここに来られて嬉しいです、とても光栄です。ありがとうございます。リースリングをもっと飲みましょう!

ありがとうございます。乾杯!

乾杯!

オレンジワインとは

Ettore Wine Column #12

オレンジワインとは

2018年10月29日

皆さま、最近流行っている『オレンジワイン』はご存知ですか?
オレンジから造っているわけではありません。こちらは、れっきとしたブドウから造られたワインです。
品種は特に決まっていませんが、必ず白ブドウを使っています。

なぜ「オレンジ」というのでしょうか?それはワインの色味からきています。

普段白ワインを醸造する際は、ブドウの果肉と皮を最初から分けて発酵します。それにより、クリアで透明なワインができます。一方で、赤ワインの醸造を真似て、果肉と皮を一緒に醸造する生産者もいます。そうすると、皮の色がワインに移るので、オレンジ・琥珀色のワインができるわけです。それがいわゆる『オレンジワイン』です。

もちろん、色だけではなく、味にも影響があります。熟成方法にもよりますが、基本的に普通の白ワインよりハチミツ、過熟したリンゴ、ヘーゼルナッツのような複雑な香りが出てきます。そして、皮にあるタンニンも果汁に移るので、ワインの味にも渋味が生じます。

こういったワインを造っている生産者はよく自然派で、アンフォラのような伝統的な容器を使っているので、自然醸造由来の香りや風味が感じられます。

オレンジワインの主な生産国はジョージアです。ジョージアでは土着品種のムツヴァネ、ルカツィテリがよく使用されています。ジョージア以外では、北イタリアのフリウリ州もまたオレンジワインに力を入れています。ここはリボッラやヴィトフスカなどのマイナーな品種を活かしていますが、まれにシャルドネやピノグリから醸造したオレンジワインもあります。

オレンジワインの世界は深いです。味はすべて一緒ではありません!私の経験では、ジョージアのオレンジワインの方がはっきりとした、強い味をしています。逆に、まだ飲みなれていない方には、ヴォドピヴェッチのヴィトフスカT 2012(フリウリ州)をお勧めします。比較的デリケートな味なので、未経験の方も楽しめると思います。

Salute!

【動画】インタビュー:『バローロ』マルコ・パルッソ氏

【動画】インタビュー:『バローロ』マルコ・パルッソ氏

Barolo – Marco Parusso Interview

2018年7月24日

今回は『バローロ』生産者のマルコ・パルッソ氏をインタビューをさせていただきました。ワイナリーの歴史、醸造に対しての考え方、バローロクリュの特徴など、さまざまなお話を伺いながら、イタリアらしい情熱を見せていただきました!


This time our guest is the energetic Marco Parusso of Parusso winery in Barolo. We asked him about the history of his winery, his philosophy, his wines, the past and the present of Barolo. The interview is in Italian with Japanese subtitles.

インタビュー全文はこちら

こんにちは!日本へようこそ!東京へようこそ!せっかくお越しいただいていますので、少し質問させていただきたいと思います。

もちろん。

まずパルッソワイナリーをご紹介いただけますか?

現在4世代目ですね。私のひいおじいさんとおじいさんは2ヘクタールを持っていて、1970年代からお父さんが最初にワインを造ることになりました。その前は牧畜者でしたね。

私は1986年にアルバ市の醸造学校を卒業しましたが、特に将来のことをあまり考えませんでした。実は私はワインが好きじゃなかったのです。そのころ美味しいワインはあまりなかったですね。ワインはほとんど美味しくなかったです。でも友人の医者のおかげで、1985年、1986年にはおいしいブルゴーニュワインを初めて知ることになりました。そのおかげでワインを造りたくなりました。

バローロの醸造には、現代主義と伝統主義という2つの考え方があると聞いています。パルッソはどちらのスタイルですか?

昔から「ランガ・イン」という革命的なワイン生産者団体のメンバーとして活躍しています。なので、私はまず現代主義の時代がありました。それはとても大切で革命的な段階でしたが、その後は私だけの道を歩みだして、伝統を少し見直しました。今はですね・・・

一言でいえば?

一言でいうと、自分が「現在人」だと思っています。「現在人」といのは、昔から伝わったいい知識を活かしながら、現代のとても役に立っている技術も使う人です。両方を活かしてさらに複雑な、さらに優れたワインが造れます。私が30年前から目指しているスタイルは「Vino seta(シルクのようなワイン)」です。Vino Setaはリッチでありながら、飲みやすいワイン;心が癒される、消化しやすく健康にもいいワインです。

今日のセミナーではMenzioni Geografiche Aggiuntive(バローロのクリュ)を3つ試飲させていただきます:ブッシーア、モスコー二、マリオンディーノ。それぞれのスタイルはどう違いますか?

マリオンディーノは1901年にひおじいさんが購入しました。当社の一番古い葡萄畑で、カスティリョーネ・ファレットのテロワールを持っています。ブッシーアにとても近いですが、それより少し寒いです。砂質の土壌も少し冷たいので、ワインは割と硬くてスパイシーです。超~長期熟成のワインですよ。タンニンが少しざらざらしますが、見事な個性があります。

ブッシーアはもっと暖かいですか?

ブッシーアはとても近いですが、丘の向きが違います。もっと暖かく、風雨にさらされない場所です。石灰岩の多い土壌です。ブッシーアはシルキーなタンニンのワインを造れますので、自分の考え方にちょうど合います。

ブッシーアのワインは女性らしいく、余韻が長く、複雑です。飲むと、いつもびっくりさせられます。見事なエレガンスを示してくれます。モスコーニはモンフォルテ市の南部にあります。セッラルンガの手前ですね。暖かいテロワールです。土壌は暗く、石灰と砂質が少ないですが、暗い粘土質が多いです。こちらからはもっと男らしいワインが生まれます。タバコ、皮、土のような味。オレンジのような、柑橘のようなヒントも特徴です。

ソーヴィニヨンブランから白ワインも造っていますよね。なぜソーヴィニヨンブランを選んだのですか?

私にこの葡萄はとても大切です。最初に植えたのは1987年、この仕事を始めたばかりでした。そのとき、白い葡萄を栽培する人がほとんどいなかったです。シャルドネを持っていた人は所々いましたが、私たちの土地はブルゴーニュより肥沃です。それで、シャルドネを使うと重たすぎるワインができてしまいます。少し実験してみたら、もっとエレガント、繊細であるソーヴィニヨンブランが私たちの肥沃な土地によく合うとわかりました。

しかし、ブルゴーニュらしい考え方を持って造ったソーヴィニヨンブランです。私のソーヴィニヨンブランは全てブルゴーニュらしい考え方で造っています。とにかく、必ず完熟した葡萄しか使いません。私のワインの特徴は「完熟した果実」の味です、「草」の味はしません。

そして、日本にまでパルッソのワインがこうして広がってきましたね。

そうですね、だいぶ前から日本で活躍していますね。

日本はどうでしょうか?

日本の文化はとても魅力的です。細かいことを気にする、他人を尊重する、相手に気を配る、純粋さを大切にする文化です。それは私の働き方にはちょうど合います。日本では頑張って、相手を尊敬する人は成功できると思います。私も30年前から同じ考え方の基でワインを造っているので、私のワインは日本人にはわかりやすいと思います。

どうもありがとうございます。最後にメッセージはありますか?

乾杯!バローロにも乾杯!がんばろう。少なくてもいいから、いいワインを飲んでください。ありがとうございます。

初めてのワイン・コンペティション

Ettore Wine Column #11

初めてのワイン・コンペティション

2018年9月4日

先日、ジャパン・ワイン・チャレンジ(JWC)というワイン・コンペティションに参加させていただきました!「ワイン・コンペティション」とは、ソムリエなどのワイン業界のプロを集めてワインを評価する大会です。それぞれのワインに点数をつけ、選ばれたワインにメダルを与えます。もちろんテイスティングは全てブラインドです。

初めての経験で、とても興味深かったです。まず、参加審査員は複数のグループに分けられます。各グループのリーダーがあらかじめ決められており、リーダーの指示のもとでテイスティングを進めていきます。ワインは3~8本ずつのフライトに分けられ進められます。各フライトには毎回テーマがあります。例えば、「チリの赤」「チリのスパークリング」「南イタリアの赤」などですね。

ブラインドのため銘柄は隠れていて分かりませんが、大体の価格帯と地域は明記されています。まず、ワインを全部試飲して自分の点数をつけます。その後、グループの仲間とディスカッションをして点数を比べ、それぞれのワインがメダル付与(プラチナ・ゴールド・シルバー・ブロンズ)のワインかどうか決めます。

ゴールド以上の場合、合わせられる料理も記入して、JWC審査長にボトルを渡します(ゴールドワインは全てもう一度審査長たちに試飲されます)。私のグループのリーダーはチリの有名なソムリエであるマルセロ・ピノ氏だったせいか、チリワインのフライトが圧倒的に多かったです。南フランスと南イタリアもありましたが、試飲したイタリアワインはあまり良くなかったですね・・・。ほとんど個性のない、過熟したリッチすぎるもので、少し落ち込みました。

逆にチリワインはかなり良かったです。チリは暑いイメージですが、涼しい地域で作るフレッシュなワインもあります。

価格もリーズナブル!このような場でワインを何十種類も試飲して、プロからテイスティングコメントのフィードバックをいただけるのは大変貴重な機会でした。

結局この日は1日(9:00~16:00)で、101種類ものワインを試飲しました!(101匹わんちゃんを思い出しました・・・101本ワインちゃん 笑)どっと疲れましたね。飲み込まずに必ず毎回吐いていましたが、念のためにその後2日間肝臓を休ませました。お疲れさまでした!

【動画】インタビュー:『ブランディーズ・マデイラ』 クリス・ブランディ氏

【動画】インタビュー:『ブランディーズ・マデイラ』 クリス・ブランディ氏

Blandy’s Madeira – Chris Blandy Interview

2018年7月24日

今回はマデイラワインの代表的な生産者である『ブランディーズ・マデイラ』クリス・ブランディー氏にお越しいただきました。ブランディーズのスタイル、マデイラのテロワール、熟成能力、そして国際と日本の市場に関していろいろ聞かせていただきました。ぜひご覧ください!

This time WSET Diploma holder Ettore Donadeo is interviewing iconic Madeira producer Chris Blandy of Blandy’s Madeira. Chris held a seminar on his wines and shared with us his thoughts on Blandy’s style, Madeira terroir, ageing potential and market, both international and Japanese. It has been an honor and a pleasure to have him at our wine school!

インタビュー全文はこちら

本日はお越しいただきましてありがとうございます。お会いできてとても嬉しいです。本日のセミナーもとても楽しみにしています。ではまず、自己紹介とブランディーズについて少しご紹介いただけますか?

私はブランディーズ家7世代目のクリス・ブランディーです。会社創立は1811年ですので、200年以上マデイラでワインを造っています。ブランディーズは、長きにわたり伝統を守っている家族経営の会社です。私が親に引き継いでもらったように、自分の子供や孫に健全な会社と豊富なワインストックを引き継いでいくことが私の目的です。

過去、現在、そして未来とつながっているんですね。ときに、マデイラワインは全て同じ味だと思われる方がいらっしゃいますが、それは違うと思います。ブランディーズのマデイラはどんなスタイルですか?

私たちのマデイラワインは醸造過程で大切な要素が2つあります。

一つ目は「酸」です。酸の高さは、「土壌」それから収穫時期も影響しています。二つ目の重要な要素は、「加熱処理」です。マデイラワインは世界でも数少ない加熱処理をするワインです。ブランディーズは加熱処理をフンチャル首都の、ある特別な倉庫で行っています。通常「テロワール」というと主に畑のことを思い出すかと思いますが、フンチャルの倉庫にも確かな「テロワール」があります。

そこは65万Lのプレミアムマデイラを保存していて、セラーは12カ所あります。温湿度はそれぞれ異なり、それがワインのスタイルに大きな影響を与えています。海が近いので、水分の蒸発速度は割と早いです。私たちのスタイルを知るためには熟成環境も知っていただかないといけないと思います。ブランディーズマデイラはとても複雑で、酸が高く、香り高い。それはフンシャルにある熟成倉庫内の環境も影響しているのです。

いろいろなテロワールがあって面白いですね、畑とか、セラーとか・・・過去からスタイルは変わりましたか?

スタイルは常に進化していると思います。毎年ワインを改良、理解、研究すればするほど、品質は向上していっていると思います。マデイラワインを造る際、多様な気候、多様な葡萄品種、発酵方法、酒精強化に使うアルコールなどさまざまな点を考慮します。熟成は80年前からのとても古い樽で行い、熟成年数によってセラーも使い分けます。地球温暖化も多少なり影響しているといえるでしょう。つまり、弊社のワインのスタイルを保つためには、ワインの現状や進化も理解していなければなりません。ワインの品質は常に向上しています。

常に進化ですね。マデイラは長期熟成のワインですが、より熟成に向いている葡萄品種はあると思いますか?マルムジーとか、ヴェルデーリョなど どうでしょう?

良い畑で品質の高い葡萄を育て、細部にまで気を配って醸造すれば、どの葡萄品種でも素晴らしいヴィンテージになると思います。過去にはテランテス、バスタルド、ブアル、マルムジーは良いヴィンテージになりました。古いヴィンテージのセルシアルはあまりないです。しかし、「古い」というのは18世紀、19世紀のヴィンテージのことですね。古いマデイラはこんなものですね。とにかく細部にまで気を配り、良い畑で育った葡萄で造られたマデイラであれば、どの葡萄品種でも長く熟成することができます。

マデイラの国際マーケットはどんなマーケットですか?消費量は増えていますか?もしくは価値が上がっていますか?日本はどうですか?

10~15年前からマーケットは拡大していますが、ワインと酒精強化ワインの生産量を見ると、マデイラの市場はまだまだ小さいです。マデイラ島の生産量は年間約300万リットルのみ。4500万リットルのシェリーと8500万リトルのポートと比べるととても少ないです。

マデイラはいわゆる「料理酒」と思っている方はまだ多くいらっしゃいます。もちろん料理酒としてもとても良いのですが、最近では生産者も世界中のワイン業者も食中酒として飲むことをお勧めしています。日本人は料理酒としてマデイラを使うことはご存知ですが、食事中のワインとしても また楽しんでいただいています。マデイラの多様性、フレッシュな酸味を高く評価してくれていますし、抜栓してから長く保存できることも喜んでくれています。マデイラは決して劣化しません。

それは言っちゃだめですよ。すぐ飲んで、新しいボトルを買ってくださいと言わないと(笑)

皆さまにマデイラは素晴らしい食中ワインだと知っていただくために、現在は飲食店に協力していただいています。それがキーポイントです。大手ウイスキー、大手ジンのようにはいきませんが、徐々に成長してきています。弊社の生産量は少なく、ストックに限りがあるので、市場が大きくならなくても問題はないですが、古いヴィンテージなど、もし急にブームになれば、需要に応えられないかもしれません。

ありがとうございます。最後、日本人の皆さまに何かメッセージはありますか?

マデイラワインをたくさん飲んでください!そして、いつでもマデイラにお越しください。

ありがとうございます。乾杯!

乾杯!

ねぇ知ってる?イタリアワイン産地の名前の由来

Ettore Wine Column #10

ねぇ知ってる?イタリアワイン産地の名前の由来

2018年7月23日

イタリアでは74個のDOCG、332個のDOC、そして数えられないIGTが存在しています。それぞれの名前は地域や町を示していますが、有名なワイン産地の名前はどこからきているのでしょうか?いくつかご紹介させていただきますので、今度、飲み会のときにでも豆知識としてぜひお使いください!

Barolo(バローロ)

誰もがご存知の赤ワインの王様、ネッビオーロ100%のワイン。名前はバローロ市に由来していますが、そもそもなぜバローロ(市)というのでしょうか?それは、「bas reul」(低い場所)という昔のケルト語からきているようです。Barolo市は周りの町と比べて少し標高が低いため、この名前になったとのことです。

Roero(ロエロ)

ネッビオーロ主体の赤とアルネイス主体の白を造るピエモンテの産地。タナーロ川を渡って、ランゲのちょうど北にあります。名前は中世期にこの地域を支配していたロエロ家からきています。ロエロ家の紋章であった銀の車輪は現在でもロエロ州のConsorzio(ワイン品質保護協会)のシンボルに使われています。

Valpolicella (ヴァルポリチェッラ)

アマローネ、レチョートなどを造っているヴェネトの地域ですね。名前の由来にはいろいろな説がありますが、ワイン愛好家の中で最も人気があるのはラテン語からの「Vallis – poli – cellae」=「ワイナリーの多い谷」という説です。その一方で、「Vallis Pulcellae」(乙女の谷)または古代ギリシャ語の「Polyzèlos」(果実の多いところ)という言葉から由来している名前だという人たちもいます。

Franciacorta(フランチャコルタ)

イタリアの一番有名な伝統方式スパークリングワイン。現代のイタリア語では「Francia」=フランスですが、どうやらこれは関係ないようです。ラテン語で「Curtes francae」は「税金免除の宿泊」という意味。中世期、この地域に税金を免除された修道院が多く集っていたため、この地域の名前となったようです。

Sassicaia(サシカイア)・Ornellaia(オルネッライア)・Solaia(ソライア)・Lupicaia(ルピカイア)

これは産地の名前というよりもブランド名ですが、なぜスーパータスカンには「-aia」がこんなに多いのでしょうか?この「-aia」は「ところ・場所」の意味です。そのため、『石(Sassi)の場所(-aia)』=Sassicaia(石が多い場所)、『太陽(Sol)の場所(-aia)』=Solaia(太陽の光を浴びる場所)、『狼(Lupi)の場所(-aia)』=Lupicaia(狼が多く住んでいる場所)といった意味の地名となっているのです。OrnellaiaのOrnellaは木の種類(トネリコの木)なので、「トネリコの木が多い場所」という意味の名前です。

【動画】試飲レビュー:コートロティ『ギガル』

【動画】試飲レビュー:コートロティ『ギガル』

2018年7月4日

皆さん、こんにちは!本日はギガルの「コート・ロティ コート・ブリュン・エ・ブロンド」を試飲させていただきましたので、コメントをお届けします。コート・ロティのすばらしい2010年ヴィンテージなので、もし手に入れられるチャンスがあればお勧めします。

試飲会で活かせるテクニック

Ettore Wine Column #09

試飲会で活かせるテクニック

2018年7月2日

先日ブルゴーニュワイン委員会(BIVB)の試飲会に参加してきました。インポーターのブースが43ヵ所もあり、数百種類のワインが並ぶ大規模な試飲会でした。

やはり大規模な試飲会へ行くときは、より多くのワインを効率よく試飲するために、テイスティング作戦を練っていかなければなりません。私はジャンシス・ロビンソンのように何百ものワインを試飲して、細かいメモを取ることはできないですが、いつもストラテジーはきっちりと決めて参戦しています。


1. ジャンルを絞る
これは一番重要なポイントです。目的を明確に決めておく。探しているワインは何ですか?どんなスタイルのワインを探していますか?例え小さな試飲会でも、全てのワインを試飲するのは現実的ではありませんので、価格帯・スタイル・産地を決めてそれだけをしっかりと試飲します。

2. ワインは飲みこまない(吐き出す)
「ま、少しくらい飲み込んでもいっか!」と思うことは誰でもあります。特に、テイスティングを始めるときは頭がフレッシュで、これぐらいで酔わないだろうと思うことがあります・・・が、油断してはいけません!一度飲み始めてしまうと判断力が弱くなりますので、そこはぐっと我慢しましょう!

3. 水を飲む
飲酒時は脱水状態になりやすく、試飲会でもそういう恐れはあります。たくさん水を飲むと、口はリフレッシュしますし、おなかもいっぱいになるので、酔う可能性は低くなります。暑い時期は特に気を付けて、水を飲むようにしてください。

4. 何か食べる
パンやクラッカーを出してくれる試飲会はラッキー!その場合は、絶対食べたほうが良いと思います。口がリセットするだけでなく、水を飲むよりもお腹が満たされ、ワインを飲み込みたい気持ちを抑えやすくなります。

5. メモを取る
本気で試飲に臨むなら、テイスティングのメモを取りましょう。「大丈夫、このワインなら覚えれる」と思っていても、必ず忘れてしまうものです。メモのとり方はもちろん人それぞれですが、特に印象に残った良いワインには成績や印を付けたほうが良いと思います。そうすることで、後日メモを見たときに何が美味しかったかしっかりと覚えることができます。


最後に、試飲会でもう一つ気を付けないといけないことがあります。どれだけ頑張っても口・鼻・頭が疲れますので、途中からデリケートなニュアンスが分からなくなってしまいます。そのため、美味しくてもその場でいまいち印象が残らないワインもあります。つまり、ゆっくり飲まないと良さがわからないワインがあるのです。


試飲会はワインの知識を深めるためにとても貴重なイベントですが、その機会を活かし、かつ周りの方の迷惑にならないように配慮して行動するのがプロとして当然の心得です。

ワインの世界を変えた小さな虫「フィロキセラ」

Ettore Wine Column #08

ワインの世界を変えた小さな虫「フィロキセラ」

2018年6月18日

葡萄樹の根に寄生してやがて腐らせてしまう、ワインにとって恐るべき害虫「フィロキセラ(葡萄根油虫=ぶどうねあぶらむし)」。体長はたった1mmにすぎない非常に小さな虫ですが、その凄まじい威力はワイン業界で大きな問題となりました。生態にはいろいろな型があり、葉に上って卵を産む『葉こぶ型』のフィロキセラ、羽を出して飛べる『有翅型』、そして『根こぶ型』。『根こぶ型』のフィロキセラは葡萄樹の樹液を吸って食べます。根にくっついて微小な穴を開けるため、その傷からウィルスや菌が葡萄樹に入ってしまいます。そうなると葡萄の生産量は減り品質も落ち、最終的には樹自体が死んでしまうのです。

フィロキセラは19世紀にアメリカからヨーロッパにやってきました。1863年にローヌ地方の葡萄樹が感染したのですが、当初は原因が分かりませんでした。やがてフィロキセラが原因だと判明してからも、解決方法はすぐには見つかりませんでした。砂質と粘板岩土壌の畑は感染されにくかったのですが、それ以外の畑は絶滅し、もうこれはワイン伝統の終わりだと考えた人も多くいました。

そして、19世紀末にやっと解決方法が見つかりました。普段ワイン醸造で使う葡萄樹はコーカサス由来のVitis Viniferaです。

フィロキセラ

しかし、Vitis種は他にもあって、その中でもアメリカ系のVitis(Riparia、Rupestris、Aestivalis)はフィロキセラに抵抗することができます。抵抗性のあるアメリカ系の台木にヨーロッパ系の苗を植えると、フィロキセラは根を襲うことができなくなり、おいしいVitis Viniferaのまま葡萄の収穫ができることが分かりました。この方法は今もななお世界中で使用されています。

こんなに小さな虫が、何千年も前から伝わってきたワイン伝統を絶滅させるほどの影響を及ぼすとは不思議ですね。現在は台木をしない自根葡萄樹はほとんどありません。火山性土壌やもともと感染しなかった国(例えばチリ)ではたまに見かけますが、例外です。そんなワインはよく”Pre-phylloxera vines”のような書き方をラベルにしています。台木をしない葡萄樹のワインの方がより美味しいという人がいますが、実際のところ、どうなのでしょうか?皆さん、もし機会があればぜひ試してみてください。

バローロ・ボーイズ

Ettore Wine Column #07

バローロ・ボーイズ

2018年5月23日

皆さんは「バローロ・ボーイズ」をご存知ですか?現在はあまり使わなくなった表現ですが、イタリアワインの発展に大きな影響を与えた、とても重要な若年層の生産者たちです。

1970年代、バローロの伝統的な造り方はもう当時の市場にふさわしくないと思った彼らは、これまで聞いたこともない方法で新しいスタイルを開発し、ワイン革命を起こしました。それまでは、ネッビオーロ(赤ワイン用のブドウ品種)は長く発酵させて、大樽で熟成。その後何十年も瓶熟させるのが、バローロの基本的なスタイルでした。現在とは違い、多くの生産者は金銭的にもあまり余裕がなかったため高価な醸造機械も購入できず、結局はネゴシアンにブドウを売ることが多かったのです。

その状況の中で、エリオ・アルターレ、プルノット、パオロ・スカヴィーノなどの当時の若者(バローロ・ボーイズ)は「ボルドー・ブルゴーニュではワイン造りで多く稼いでいるのに、なぜバローロではそれができないのか?」と疑問を持ち、海外のプレミアムな生産地からインスピレーションを受け、根本的にワイン造りの考え方を変えることにしました。

グリーンハーベスト(*1)・バリック(*2)・短い発酵期間、これらの技術を生かして、もっと早飲みできるスタイルのバローロを造ろうと試みました。伝統派の生産者は驚愕し「あいつらは頭がおかしいんじゃないか??」と思いましたが、それとは裏腹に新しいスタイルのバローロはあっという間に世界中で大人気となったのです。ワイン誌からも消費者からも高評価を得て大成功を収め、続々と国際的なスタイルの新しいバローロが増えていきました。さらには「伝統的なバローロ=おいしくない」という妙な考え方も生まれ、一時期は新しいバローロじゃないとダメという評論家が多くなったほどです。

2000年後半にこの「伝統vs現代」の戦争は終わりました。現在の生産者は、基本的に伝統と現代との双方のバランスがとれたワイン造りを目指しています。イタリアワイン業界を発展させるためには、古い伝統に固執するだけでは足りません。海外で利用されている最新技術を調査し、常に新しいツールと技術を取り入れて改善していくことも大切です。長きに渡るバローロ戦争の教訓ですね。(*1)グリーンハーベスト:摘房。ブドウの房を摘みとり、残された房に糖分などを集中させる。収量を減少させる目的のために、果房を未熟な状態で収穫すること(間引き)。

(*2)バリック:ワインを熟成させる小型の樽のこと。

ブルゴーニュワインは難しい?

Ettore Wine Column #06

ブルゴーニュワインは難しい?

2018年4月5日

ブルゴーニュは、ボルドーと同じようにフランスではもちろん、世界的にもトップを誇るワインの産地です。

ボルドーと違って栽培面積は比較的少ないですが(フランスの6%ぐらい)、原産地呼称の数は圧倒的に多いです。最近できあがった「ブルゴーニュ・コート・ドールAOC(*)」と「ヴェズレイAOC」を含めると、ブルゴーニュのAOCは全102カ所!フランス全体のAOC約20%に匹敵します。ブルゴーニュの特徴として、地域は細分化され、村ごとだけでなく同じ村の中でも畑ごとにワインの味が異なります。さすが「テロワール」の概念の発祥地です。

「ブルゴーニュワインを楽しめるのはワインに詳しい人だけですか?」と聞かれたら、そんなことはないと思います。この地域で主に使われているピノ・ノワールとシャルドネが造るワインは基本的にデリケートで飲みやすいので、ワインに慣れていない方にも親しみやすい、やさしい味なのです。

「でもやっぱり、おいしいものは高いでしょう?」こちらもそうとは限りません。もちろんヴォーヌ・ロマネやジュヴレ・シャンベルタンのような有名な村は高価ですが、素晴らしいヴィンテージの場合は、そこまで有名ではないマイナーな村を狙えば安くて美味しいワインを飲むことができす。産地はもちろん大切ですが、それより気にすべきことは「生産者」なのです。良い生産者は必ず優れたワインを造っていますから。

まず、有名なネゴシアンは確実に信頼できます。「ジョセフ・ドルーアン」のサン・ロマン(白)、「ブシャール・ペール・エ・フィス」のモンタニー・プルミエ・クリュ(白)、そして「ル・ラトゥール」のジヴリー(赤)は全てリーズナブルなワインです。しっかりとしたドメーヌと醸造組合の中で「カーヴ・デ・ヴィニュロン・ド・ビュクシー」のプルミエ・クリュ モンタニー(白)とそのリュリー・ルージュ(赤)や「ドメーヌ・ボルジョ」のサントネー・ヴィエイユ・ヴィーニュは全て4,000円以下で満足できます。

そして、ブルゴーニュAOCの中でも見逃さないほうが良いものがありますよ!私の大好きなミシェル・マニャンが造っているブルゴーニュ・ブラン・ボンバトンはシャンボール・ミュジニーで収穫されたシャルドネからできています!そして、ルイ・ジャドーのブルゴーニュ・ソンジュ・ド・バッカス ピノノワールはなんとプルミエ・クリュが50%入っています!スーパー・ブルゴーニュといえるかな?

探せば探すほど、安くて面白いブルゴーニュワインが沢山あります。ワイン初心者にアピールできるデリケートさがありながら、愛好家に方にもアピールできる複雑さとバライエティをも兼ね備えているのは、「ブルゴーニュ」の揺るがない最大の魅力のひとつです。*AOCとは:フランスでは産地ごとのワインの信頼性・個性を守るため、ブドウ品種や土壌、栽培・醸造方法などに法的な規制を定めています。

セカンドワインとは?

Ettore Wine Column #05

セカンドワインとは?

2018年3月23日

プレミアムな生産者は『ファーストワイン』と『セカンドワイン』というものを造っていますが、それらの意味をご存知ですか?

それは19世紀のボルドーで始まった慣習ですが、有名な生産者らは彼らのブランドイメージを保つため、常に良いワインを造りたいという気持ちがあります。しかし、その年の自社畑のブドウ全てのできが良いわけではありません。よくできたブドウもあれば、それほどではないものももちろんあります。そういった理由から、あまりできが良くないブドウや若木のブドウを使用して、割と早飲みで低価格帯のキュヴェを造ることがあります。『セカンド』の意味そのまま、”2番目(に良い)”二番手ワインというわけです。そうすることですぐに市場に出せるワインができるので、早々に収益を得ることができ生産者は助かります。その後、生産者はより品質の高いブドウを選別し、高品質の『ファーストワイン』を造るのです。

一言で『セカンド』といっても、品質や値段に大きな違いがあります。例えば、シャトー・マルゴーの「パヴィヨン・デュ・シャトー・マルゴー」、「ル・クラレンス・ド・オー・ブリオン」、シャトー・パルメの「アルテ・レゴ・ド・パルメ」のように数万円もするセカンドワインもありますので、セカンドといっても一概に品質はあなどれません。ボルドーだけでなくイタリア(特にスーパータスカン)・スペイン・カリフォルニアなどのプレミアムな生産者もセカンドと呼べるワインを造っています。

技術の高いワイナリーが造っているものであれば、ファーストワインほどの長期熟成ワインではなくとも、セカンドワインを試しただけでその素晴らしさや個性を感じることができるかと思います。セカンドワイン、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?

ボルドーのクリュ・ブルジョワ復活?!

Ettore Wine Column #04

ボルドーのクリュ・ブルジョワ復活?!

2018年3月6日

ボルドー クリュ・ブルジョワ(ワイン生産者の格付けの一つ)の歴史はとっても複雑。最初(2000年)の格付けは、1855年のメドック地区の格付け(クリュ・クラッセ)対象に入っていなかったシャトーを集めたもので、中には「シャス・スプリーン」や「ポタンサック」などのクリュ・クラッセに負けないくらいの素晴らしいワインもありました。

元々、クリュ・ブルジョワのレベルは3つあり、当初は10年ごとに更新される予定でした。しかし、2007年にレベルを落とされたシャトーが裁判所に不服を訴え、その結果、格付けシステム自体が中止となってしまいました。その後、2010年にある意味”復活”しましたが、復活後のシステムは「格付け」というよりも「資格」といった方が良いかもしれません。自分のワインを「クリュ・ブルジョワ」と名乗りたい生産者は、その年のワインが評価され格付けに合格したとしても、申し込んだヴィンテージのワインに限るのです。つまり、同じシャトーで「クリュ・ブルジョワ」になっているヴィンテージとなっていないヴィンテージがあるかもしれないのです。

参考に2015年・2014年のクリュ・ブルジョワをご紹介。非常にわかりづらいですね。追跡しにくいですし、マーケティングの面でもなんだか少し物足りないですね。

しかし!!!最近のニュースによると、格付けのシステムが復活するそうです!昔のように『Cru Bourgeois」『Cru Bourgeois Supérieur」『Cru Bourgeois Exceptionnel」の3つのレベルに分けられ、2020年に販売される2018年ヴィンテージからスタートされる予定とのこと。

わかりやすくて、商品も売りやすくなると思われますが、また憤慨する生産者に訴えらないような対策を考えなければなりません。更新は年ごとになる予定ですので、落とされたシャトーでも復活するチャンスがあります。クリュ・ブルジョワ委員会長のFrédérique Dutheillet de Lamothe氏はワインを公平に評価することを保証しています。

十分な対策がなされるかどうかは数年後分かるのでしょうが・・・、とりあえず楽しみですね!

WSET Awards and Graduation

WSET Awards and Graduation

-エットレのWSETロンドンレポート-

2018年1月30日

1月22日(月)「WSET Awards and Graduation」が、ロンドン ギルドホールで行われました。新たに世界から440名、そのうち日本からは12名の『DipWSET』が誕生しました!合格者の皆さんも現地でのセレモニーに参加するため渡英。卒業生として一人一人名前を呼ばれ、壇上に上がったそうです。もちろんキャプラン ワインアカデミー講師のオースタン紗知子&エットレも合格者として参加してきました!本日はエットレからの現地レポートをお届けします。合格者の皆さん、改めておめでとうございます!

ギルドホールに到着!
皆さんと一緒に記念撮影
いよいよギルドホールの中へ!
一人一人壇上に上がりました
細部まで素敵な建物ですね
皆さんと乾杯!

動画現場レポート

合格者紹介

浅賀 章隆
Ettore Donadeo
オースタン 紗知子
金川 智彦
川上 幸一
川口 梓
小林 正夫
佐藤 昌彦
滝澤 聡
手塚 功一郎
丸尾 眞
矢代 将史

  • 50音順/敬称略

エットレが選ぶ2017年のトップ5ワイン

Ettore Wine Column #03

エットレが選ぶ2017年のトップ5ワイン

2018年1月11日

2018年第1弾のコラムをお届けいたします!

皆さん、昨年はワインをたくさん飲まれましたか???私は年末に自分のメモ帳を見てみたところ、昨年はテイスティングコメントを200件以上書いていました。なんとその半分以上がフランスワイン!これではイタリア人に怒られちゃいますね。(汗)

それでは、私の2017年のトップ5ワインをご紹介します!

Louis Latour Corton Domaine Latour 2010

ブルゴーニュの知識を深めたいと思い飲んだワインのうち、30%はブルゴーニュでした。その中でベストを選ぶをしたらやはりル「イ・ラトゥール」です。とても複雑で赤いベリーのアロマがまだしますが、はっきりとした熟成感があり余韻も長く、とても良いバランスが取れています。

2013 Gaja Barolo Dagromis

若いかな・・・?と心配しながら開けたバローロですが、十分楽しめました。長い樽熟成のおかげでしょうか。バローロらしいしっかりとした酸味とタンニン。これからだんだんと複雑味が増していくと思います。

2014 Bodegas Caro (Barons de Rothschild / Catena) Caro

ラフィット・ロートシルトが造っているアルゼンチンのプレミアム・ワイン。やはりコスパの良いワインを探すなら、南アメリカは外せないですね。ブラックベリーの果実味に、ボルドースタイルの旨味(マッシュルーム・オリーブ・枯れた葉っぱ)が複雑さを加えています。しっかりとしたストラクチャーでとても良いです。

2015 Zind-Humbrecht Riesling Brand

今年のベストホワイト!樽を使っていなくてもこんなに複雑!オレンジ・カモミール・白い花、そして石のような香り。はっきりしているのにとてもエレガント。酸味・アルコール・ボディが良いテンションを造って、飲み込んだ後も長い余韻を楽しめます。

NV Jacquesson & Fils Champagne Cuvée No.739

力強さとエレガントさのバランスが取れているワイン。酵母・ヘーゼルナッツ・ピーチ・濡れた石のような香りと味わい。若干の塩っぽさもありますが、飲みやすいです。NVですが、毎年キュヴェの番号が進み、ベースヴィンテージも代わります。No.739は69%が2011年のワイン。ちなみにNo.740も既に出ています。


2018年は何を飲もうかな?もちろんできるだけ沢山試したいと思いますが、個人的には久しぶりにイタリアワインを中心に飲みたいと思います!結果は年末に・・・。皆さんも、2018年のワインライフを楽しんでくださいね。

特別賞

  • 2014 Paraduxx (Duckhorn Vineyards) Proprietary Red
  • NV Emilio Lustau (Almacenista) Jerez-Xérès-Sherry Fino del Puerto Jose de la Cuesta
  • 2013 Raventós i Blanc Cava Gran Reserva de la Finca
  • 2014 Bouchard Père et Fils Meursault 1er Cru Les Perrières
  • 2008 Disznókő Tokaji Aszú 5 Puttonyos
  • 2009 Goretti Sagrantino di Montefalco
  • 2012 Cantina Santadi Carignano del Sulcis Terre Brune
  • NV Opus One Overture
  • NV Bodegas Hidalgo Manzanilla La Gitana En Rama
  • 2014 Joseph Phelps Chardonnay Freestone Vineyards Sonoma Coast
  • 2015 Weingut Willi Bründlmayer Riesling Lyra Zöbinger Heiligenstein
  • 2014 Grande Polaire (Grand Poreru) Pinot Noir Hokkaido Yoichi
  • NV Marchese Antinori Franciacorta Tenuta Montenisa Brut Rosé

大彗星のヴィンテージ

Ettore Wine Column #02

大彗星のヴィンテージ

2017年12月25日

1811年10月、ヨーロッパのワイン生産者は例年通り収穫中でした。しかし、夜空に目を向けると、一生に一度しか見られない宇宙の不思議な現象があったのです。それは1811年の大彗星、今から206年前の出来事です。

大惑星がワインの栽培に直接の影響を及ぼすことはありませんが、その年のワインは非常に素晴らしく、1811年は「大彗星のヴィンテージ」とも呼ばれています。まさに “伝説の年” です。

恐らく世界にまだ何本か残っているかと思いますが、とんでもない高値がつけられています。特に、「1811年 シャトー・ディケム」はロバート・パーカー氏に「最高の100点ワイン」と称賛され、2011年に1本 約1,200万円で販売されました。またその年、ヴーヴ・クリコでは、世界で初めてルミュアージュを使って、濁りのない近代的なシャンパーニュを醸造しました。

その後も大彗星のヴィンテージと呼ばれるヴィンテージが何件かありましたが(1861年・1989年・・・)、最も有名なのは1811年です。近年では2007年と2011年に大彗星が南半球に見えましたが、ヨーロッパで最近見られたのは20年以上前になります。そして、次にいつ飛んでくるのかはまだ分かりません。

次の「大彗星のヴィンテージ」はいつ来るのでしょうか。よいワインを飲みながら星空を眺めてみませんか?

2017年期待のヴィンテージ

Ettore Wine Column #01

2017年期待のヴィンテージ

2017年10月12日

秋はブドウの収穫時期。まだ収穫中のところもありますが、2017年はどんなヴィンテージになるのでしょうか?

もちろん個性が表れてくるまでには今から何年もかかりますが、霜や熱波のため、イタリア・フランス・アメリカでは収穫量が通常より少ないようです。場所によって状況が若干変わってきますが、この現状に苦しんでいる生産者が多いようです。

しかし、例外はあります。それは意外にもブルゴーニュ!です。収穫量が低いとよく聞くブルゴーニュですが、2017年はスムーズな年でした。春にシャブリ、ブーズロン、ボージョレー、モレ・サン・ドニでは少し霜が降りましたが、それ以降天気がよく北から南まで健全なブドウができました。また、夏も夜が涼しかったので、きれいな酸を持ったワインが出来上がる見込みです。

2016年で苦労していたドメーヌらはやっとホッとし息をつきました。価格も下がるのかな・・・?ブルゴーニュの愛好者さん、2017年ヴィンテージ楽しみにしてください!