WSET Level 4 Diploma in Wines 2026 卒業式

ワインコラム

WSET Level 4 Diploma in Wines 2026 卒業式

WSET Diploma卒業式の様子

2026年7月22日
【コラム著者】石本育美 Dip WSET

「来年はギルドホールへ」

WSET Diplomaの最後のユニットを受験した頃は、ギルドホールで迎える卒業の日を思い描いていました。

WSET Diplomaの卒業式は、長年ロンドンの歴史的建造物であるギルドホールで開催されており、私もいつかその舞台に立つことを楽しみにしていました。
しかし、ちょうど合格発表をいただいた2025年夏に会場変更が発表され、2026年、私はウェストミンスターにあるElizabeth Hallで初めて開催される卒業式に参加することになりました。

WSET Level4 Diploma in Wines (通称WSET Diploma/ Level4)は、WSETが提供するワイン資格の中で最高峰に位置づけられる資格です。知識やテイスティング能力を証明するだけでなく、ワインの魅力や価値を次世代へ伝え、業界を牽引していく存在としての役割も期待されています。

2026年度は世界33か国から714名のDipWSETホルダーが誕生し、そのうち400名の卒業生がロンドンの会場に集いました。国籍や職業の異なる仲間たちが世界中から集まり、WSETコミュニティの国際性と広がりを改めて実感しました。

日本においては、キャプランワインアカデミーから31名の卒業生が誕生しました。これは世界全体の約4%にあたり、日本におけるWSET Diploma教育の充実と受講生の学習意欲の高さを感じることができます。また、2026年にはDiplomaホルダーは200名(2026年6月時点で208名)を超えたそうです。

私自身は、2020年にCaplan Wine AcademyでLevel 2を申し込み、2021年にLevel 3を受講しました。当時は、2026年にDiplomaの卒業式に出席することになるとは夢にも思っていませんでした。今回の卒業式に参加し、世界で活躍するワイン業界の仲間と出会えたことで、今後どのようにこの業界に貢献していくべきかを改めて考える貴重な機会となりました。

WSET Diploma卒業生集合写真

卒業式当日は、WSETの歴史や新しいブランドロゴが映像で映し出され、16:00に開演しました。

キャプランワインアカデミーはアルファベットのCから始まるため、セレモニーが始まったら早い段階で登壇となります。

式はバーチャルでも参加できるので、YouTubeでのライブ配信を通じて、ロンドンに来れなかった卒業生達もリアルタイムで卒業式に参加できます。

深夜にも関わらず、見てくれていた友人たちからもリアルタイムで祝福の言葉をいただきました。

会場では民族衣装で参加されている方も多く、日本からは着物で出席していた方が他国の卒業生から大人気でした。着物を日本から持参する方や、イギリスでレンタル&着付けを手配する方もいらっしゃるようでした。Diploma卒業式で着物をお考えの方々は、ぜひ先輩達に聞いてみてください。

授賞式は約2時間にも及び、拍手を送り続けていた私の手と腕が限界を迎えたところで、その年最も優秀な成績で卒業した方に贈られるVintoner’s Cupの授与式が行われました。

その他にもベストエデュケーター部門、各試験で優秀な成績を収めた方々への特別賞が発表されました。


式の後には、ドリンクレセプションが行われました。

提供されていたドリンクは、協賛しているローランペリエのシャンパーニュをはじめ、英国スパークリングワイン各種、日本酒の獺祭やNon-Low部門ではお茶ベースのSaichoなどもありました。

グラスを片手に、普段会うことのできない世界中のDiplomaホルダーと歓談するこのレセプションは、非常に有意義な時間でした。

ドリンクレセプションの様子
ドリンクレセプションでの集合写真

最後に、Dr.Laura Catenaからの卒業式で送られた言葉をみなさんにご紹介します。

「このAIが急速に進化する時代、科学者である私の問いに対してAIコンサルは間違っていることもある。今日卒業した皆さんの業界での経験値、そしてDipWSETで学んだことはすごく意味があるものである。悲観して夢を諦めないで、夢を追いかけ続けてください。」

何かあればこの言葉を思い出し、DipWSETを取得した意味を問い続けようと思います。

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WSETとの出会い カタール航空編

ワインの豆知識

WSETとの出会い
カタール航空編

2026年3月19日

「ワインの世界って、こんなにも面白くて奥深いものだったのか」

今振り返ると、ワインを楽しむきっかけとなったのはWSETとの出会いでした。

前職は中東の航空会社で海外ベースの客室乗務員として働き、仕事で世界中を飛び回る日々を送っていました。フライトの合間に時間があれば、滞在先でワイナリーツアーに参加したり、レストランでその土地のワインを楽しんだりと、現地ならではの体験をすることが何よりの楽しみでした。

甘酸っぱくてジュースのように親しみやすいものから、しっかりとした渋みを感じるもの、花のようにエレガントな香りを持つものまで、ワインには実にさまざまな表情があります。

「自分の好きなスタイルを見つけてみたい」そんな軽やかな気持ちでワインの世界に興味を持ったことが、後に人生の軸になるとは、この時は想像もしていませんでした。

新卒で入社したカタール航空では、その当時ビジネスクラス以上を担当する客室乗務員に向けてWSET Level1を受講する機会がありました。

WSET Level1は、ワインサービスに関わる方に向けた入門資格で、主要なワインのスタイルや代表的なブドウ品種、品質管理、ペアリングの基本などを体系的に学ぶことができます。

私もビジネスクラスとファーストクラスを担当していたため、この講座を受講することになりました。

参加した回の講師は、なんとマスター・オブ・ワイン(MW)。当時の私にとっては、その肩書きがどれほど特別なものなのかもよく分かっていませんでしたが、世界でもごく限られた人しか取得できない資格だと知り、ワインの世界の奥深さを遠くに感じたことを覚えています。

当時暮らしていたドーハ(カタール)では、アルコール規制が厳しく、限られたホテルなどでしかお酒を楽しむことができませんでした。そのため、日常生活の中でワインに触れる機会はほとんどなく、ワインはどこか特別な飲み物という印象でしたし、ワインは白・ロゼ・赤の中にもこんなにもたくさんの品種やスタイルがあるなんて想像もしていませんでした。同じ産地・品種を頼んでいるのに、想像とは違うものが出てくるときもあり、がっかりすることもありました。

Level1を受講した後、機内で提供されているワインのラインナップを改めて見たとき、その世界がぐっと身近に感じられるようになりました。当時のワインリストはシャンパーニュが2種類、赤・白がそれぞれ2種類、そしてポートワインが1種類のセレクションが揃っていて、その違いに興味を持ち始めました。

これまで何気なく提供していたワインも、学びを通して見ると、その背景やスタイルが少しずつ理解できるようになります。お客様に英語でご案内する際も、以前よりスムーズに説明できるようになり、自分の中で小さな自信が芽生えてきました。

滞在先や旅行中に訪れるレストランでも、ワインリストを見ながら自分の好みを伝えたり、スタッフと会話をしながらボトルを選んだりと、ワインを通してコミュニケーションの幅が広がっていく感覚がありました。

あの時はまだ、ワインを仕事にする未来など想像していませんでしたが、この小さな成功体験と学びが、私をワインの世界へと導いてくれていたのだと思います。

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